緩和ケア病棟に入院して

三日目に亡くなった患者さん


この期間で
入院、退院を、となると
家族にとって
どんな思いになるのか
心配になることがある


緩和ケア病棟に
何を希望していたかによっても
その思いはかわるのだろう



倦怠感もつよくなり
意識障害をきたして
緊急入院


もともと最期は
緩和ケア病棟で、ときめていた


80代半ばの男性

妻は献身的に看病を
娘さんも優しく両親を支える

ささっと
治療開始して、入院したその日のうちに
意識は戻ってきて

「あー夢のなかみたいだった」
「みんなの声は聞こえたけど、
なんかとおかった」


安定したようにみえても
体調はかんばしくなく
この状態は保たれないだろうことは
予想された

ご家族と相談し
お孫さんや合わせたい人には
あっていただくように
伝えた


その日の夜はしっかり休息


次の日

お孫さんたち、娘さんひとりひとりに
おわかれの言葉
応援メッセージを伝えた


妻には
手紙✉️つきで。


その夜再度の意識障害

翌日に妻に見守られて
旅立った




後にご家族から
「あの一日は忘れられない一日です」
「1.2週間前から具合がわるくて
まともに話せなかったのに」

「ちからをもらえて」
「うれしかったです」

「あの一日」

「うれしかった。ほんとに」
「わすれません」


「緩和ケア病棟に感謝です」


この言葉は私達の心に灯りを灯してくれる


これでいい、このままやっていこう、と


思えるんだ



 ジロウは今日は寝ます

うまく自分でもぐりこんだよ

ひとりで過ごしたいこともあるんだよ