色々な患者さんとご家族に
出会うたび

みなさんの優しさにふれ

私自身の看病や介護を
ふりかえることがある


母は腎不全となり、透析にいたった

およそ10年
透析に通った


近くに住み、介護に通い
ご飯を準備


これだけのことなんだけど
だんだん自分のことが
できなくなって

なんにちも台所が片付いていなかったり

冷蔵庫にいれた食事が
ずーっとそのままだったり

認知症の兆し

わかっていた

けれど、否定したい自分
認められない自分


すると
どうするか

母にあたる
母にしかりつける
母に声をあらげる

外ヅラだけはよかった母

そとでは、ふつう、にみえた

だから、みんなにいわれた
「おかあさんが近くにいて
いいわねぇ。なんでもやってもらえる
でしょう?」
「洗濯や、掃除もやってもらえて
いいわねぇ」


もやもやした

母だってすきで認知症になったわけでは
ない

なのに


なんてつめたいムスメ



もっと優しくすればよかった



もっと
もっと、は


あとから思う


でも、介護は大変なんだってこと

もしかしたら同じ経験を
した人にしか
わからないのかもしれない


親戚の言葉もささる
「おかあさん大事にしなさいよ」



私は今おもう


一人一人、ヒトカゾクヒトカゾク
みんなちがう
労いはうれしい
よくやってるね、と
そのひとことがしみる


今ならもう少し
母を大事にできるなぁ
でも
もういない


おボケた母でもいるといないは
違うんだってことは


いなくなってからしか
気づかない



今介護や看護で大変な方
たくさんみえるよね

無理だけはしないで

頼れるヒトは頼って

そして、一瞬でも
今は今しかないって
感じてほしい、と願う




今は今しかない
親なしでは自分はいないんだよね