どうしたって人は歳をとる

 

長く生きればそれでいい、のかというと

そうばかりではない

 

それに長く生きたくたって

生きられないこともある

 

 

なぜ人は永遠の命を欲するんだろう

 

病気はなりたくてなるものじゃない

 

 

いつの頃からか

私は”かわいそうに”という言葉が

苦手になった

 

 

かわいそうって

なんだか優劣をつけるような

哀れみや同情のように

聞こえる

 

 

父が亡くなったとき

”まだわかいのにかわいそう”

”お父さんいなくなってかわいそう”

と、もちろん優しさで声をかけてもらったと

思うけど

 

なんだか、とてもつらかった

 

ひねくれていたのかもしれない

強がってたのかもしれない

でも、私達はここから頑張るしかないんだもん、と・・・

 

それからより強く感じるようになった

病気になるのは

大変だし

死と向き合うことは大変

だからどうしていくか考える

患者さんや家族を大切に

怒りもうけとめて一緒に考えて

家族にもいえないつらさを話せる場所

そういうところをつくりたくて

緩和外来を開かなければ、と思った・・

 

収益にもなりにくく

病院の経営に貢献もできないけど

患者さんの心のよりどころに

なりたいと思っています

診断時からの紹介もすこしずつ

ふえていて、全く私のやっていることが

意味がないわけじゃないのかな、と

かんじることもないわけじゃないウインク

 

だれでもそうなんだけど

いろいろあって今がある

 

今をいきてることは今までの

積み重ねだと

自分自身も思うから

 

 

がんと診断されて落ち込むのも当然

再発や転移なんて信じたくない

この病院、この先生が

悪いんじゃないの?

抗がん剤のせいだ

緩和ケアの人が紹介されたからだ

etc.

 

 

どう感じてもいい

八つ当たりしてもいい

怒ってもいいから

道を見失わず

 

生きる時間を大切にしてほしいと

願っています

 

だから早期からの緩和ケア

それが当たり前の世の中に

なって欲しいんです

 

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ふつうの診療科だよ

なんでも診るよ