私の勤務している病院は

 

救急を看板にしています

 

断らない救急

どんな患者さんでも受け入れる

断らない

 

素晴らしいことだと思います。

どれだけ患者さんがこれに救われているか

 

救急医という救急の専門医師が

存在することも大きい

 

救急医療は

なにより救命を目的とする

救える命を取りこぼさず

救命する

 

とても大事なことだと思います

 

医療者として

ひとを救うということは

原点

特に医師は

治す、助けるを基本に

教育をうけていますから

 

私も

若かりし頃は

救急の一端をになったこともあります

救えた命もありましたが

一方で救えなかった命も

 

仕方がない・・・ですませない

自分がいました

そういうことがつみかさなり

死はさけられないのではないか

と思うようになったこと

 

これが今の仕事に自分を動かした

 

事故でも急な病気でも

がんでも

がんでなくても

 

人は命を落とすことがある

そして

それを悲しむ家族、友人がいる

 

予期せぬ死は

家族や友人も苦しむ

予期された死よりも遺族はつらい

 

 

救急が看板の病院だから

死を受け入れるような

緩和医療はきらわれるのかな

 

 

 

でも

考えてみてください

死は避けられない場面が必ずあります

 

患者さんは実験台ではない

やるだけのことはやりました

でも、残念ながら、ということに

対して

仕方ないですよね、といえる家族がどれだけいるか

 

どうして?なんでこの人が?

何も悪いことしていないのに?

私がこんなことを言ったから?

 

家族もまた自分を責めます

 

救急医療と緩和医療は

けっして相反する物ではなく

表裏一体

つねに合体しているものです

助けたいけど助けられない命が

ある。しかも突然に訪れる

 

一昔前は

救急から緩和まで、と

まるで

緩和を最後の医療のように

うたっていたようですが

 

救急医療も緩和医療も行います

これがこれからのうたい文句とおもいます

 

え?

そんなの必要ない?ってきこえてきましたよ?

 

違いますよ

死のことではないですよ

 

どうして自分が

どうしてこんなことに

 

それらのことをゆっくり答を出す時間も

ないのが救急です

一期一会

でも

相手の立場にたって

今の現実をうけいれることが

少しでもできるように

あとから前向きに生きることができるように

その場で患者さんのために必要なことを

患者さんの立場にたって

即座に

判断すること

 

それも緩和ケアの範疇です

 

それを緩和医がやることはできない

 

けれど

救急に携わる医療者にも

その気持ちを

もっていて欲しいと願います

 

癌関連でいえば

がん患者さんも救急医療が必要な場面に

遭遇する事はあるわけで

オンコロジーエマージェンシーと

いいます

 

それらを知っておいて欲しい

とも思います

 

そしてオンコロジーエマージェンシーのとき

抗がん剤をおこなっていない

積極的ながん治療を行っていない方だからといって

治療をしない

 

というわけではないことをお伝えしますね

 

症状をやわらげ

可能ならばその症状をとり

再度日常生活に戻れるように

治療を行うこと

 

ときどき

緩和の患者さんだから

検査はいりませんか?

とひとくくりされそうになることがあります

 

一律に医療を行うのではなく

必要な検査を

その患者さんが必要としている検査を

行う

その結果を正しく判断し

適切な医療を施す

 

あきらめる、とはちがう

 

とりあえず、CTとかそういうことはしないけど

患者さんや家族の問診

その上で何を疑い

何を検査するか

 

医療として当たり前のことは

緩和医療が中心の患者さんにも

あてはまります

 

 

ただし

救命のみが目的ではなくて

もともとの生活に戻ることが

できるか、否かも

重要な視点となることを

付け加えておきます

 

要するに

必要な医療の見極め、だと思います

 

 

どうか

若手の医師へ

 

心をわすれないでくださいね

 

研修医だから許されるわけでもなく

医師だからゆるされるわけでもなく

 

患者さんはなにも言わなくても

感じている

 

患者さんの立場にたって

患者さんの家族の立場にたって

考えてみる

一瞬でいいから

 

 

 

救急医療も緩和医療も

患者さんのためにうごく

 

それはかわらないでしょ?プンプン

 

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