診断され、さらに精密検査をうけるために
大学病院に紹介された

出血がすすみ、輸血をやめられない

抗がん剤をするにしてもこのまま、ってわけにはいかない

私はまだ殻をかぶったヒヨコ程度の医者だった
父が自分の診察についてきてほしい、というので
ついて行った


「このまま輸血をつづけているだけじゃ
いつか破綻するし、いつまでもつづかない」
「治療として、肝臓切除、その後抗がん剤」
「何もしなければ3ヶ月もたない」
「治療しても一年むずかしい」


父は冷静だった
驚くほど冷静だった

「輸血して、手術をしてください」
「あと5年は生きたかったが、仕方がない」
「一年あれば片付けられるね」

出血のコントロールのために
色々考えた
殻付きひよこ医者の🐣私も考えた

「動脈塞栓術をしてから、手術というのは?」

外科の先生は

「そうだね。出血つづいているし、放射線科に
お願いしてみましょう」

少しだけ、役にたったか?

こうして
治療がはじまった
期間にして3週間弱
輸血が必要だったこともあり、きっとすこし
緊急的になり早かった方

でもあれやこれや考えては泣いて←私が
あれやこれや悔やんで←私が
あれやこれや迷い←私が

父は、心中穏やかじゃなかったことは
のちに手紙でしるんだけど、
どっしり静かに構えていた

泣いてばかりじゃだめ
しっかりしなきゃ、私

どれだけの不安と心配を家族もかかえるか
そして
医療者に聞くことは意外とできないものか

よくわかった
私が緩和ケアに足をふみいれるきっかけは
ここにある

だから忘れないんだろうな。

さて、と

あとは
母に、妹になんて伝えるか

父はふたりにはいいたくない、と言った
でも
伝えないわけにいかないよ

そう答えた


家族としてのこの経験は
最大の学びでした
患者がどれだけ
不安をかかえ
家族もどれだけ不安か
想像をはるかにうわまわる、です
また、記しますが
医療者の、同僚の、上司の
心ないことばにも
心が悲鳴をあげそうになりました

だから
コミュニケーションは
大事💕