Tさん

色々検査も進み、治療がはじまることになりました。

若いんだから、当然治療をすぐ希望されるだろうな、とおもっていました。

ところが

「治療すると治りますか?もし治らないのであれば
治療がはじまる前にすこし買い物に行きたいです」
「治療がはじまったら体力もキツいよね」

おかあさんもおとうさんも、買い物は
代わりに行ってあげるから
治療を始めなさい、と言いましたが
意思はかわりませんでした。

あしあとあしあとあしあと

3週間後、治療のために入院しました
赤ちゃんは少し大きくなりました。
保育園にもゼロ歳児枠がたまたまあいていて
入園できました。

「わたしさ、どうやって生きていこうかな」
「ずっと考えてる」
「治療したいという気持ちと、もうがんばりたく
ないきもち」
「でもまえをむかないとね」

彼女は
いきることをあきらめるわけではなく
お子さんの、周りの人のために
を、考えていました

買い物?

何を買いに行ったとおもいますか?

治療は順調にすすみました。


再掲

もうあえないけど
わたしは
あなたをみています