30代の女性

赤ちゃんを7ヶ月前に出産したばかり。
Tさん。笑顔の可愛らしい女性

ある日実家のおかあさんに電話しました

「助けて‼️赤ちゃん抱っこできない‼️」

しっかりした娘さんなだけに
おかあさんはびっくり。

かけつけたときには
赤ちゃんは床の上
Tさんも床の上に倒れていたそうです

身体中が痛くて痛くて
抱っこはすこしキツくなっていたけれど
子供が大きくなったからだろうと、無理もしていたらしい。
食欲不振も産後からあったけれど
疲れているのだろうと自分も思ったし
1ヶ月健診のときの婦人科の先生も思った

一度だけ
近所の内科にも行ったけれど
やはり

若いから大丈夫
はじめての育児だし、慣れないよね、で
終わったらしい

あしあとあしあとあしあと

人生は取り返しがつかないことがたくさんあります

あのとき、こうすれば
あのとき、別の病院にいけば

でも選択肢は一つ

救急車で来院

すぐに検査をしました

胃がん、癌性腹膜炎、多発骨転移
手術の適応はなし

おかあさんは泣き崩れました

「かわってあげたい。何できづいてあげられなかったんだろう(涙)」

「ごめんね、ごめんね、ほんとうに…」

その様子をベッドの上で目を閉じてきいていた
Tさん

「大丈夫だよ、おかあさん」
「先生たちにまかせよう」
「だれのせいでもないよ」

落ち着いて

誰よりも落ち着いて

「先生、よろしくね」
「緩和ケアの先生にも会いたい」

闘いがはじまりました
私達も彼女を支えるチームの一員になりました


雨の日
草花はいきいき
人間はすこしけだるいですね