脳腫瘍のため、緩和ケア病棟に入院された
50代の女性。

3人のお子さんに、旦那さん

ご両親

身体が動かなくなることも悲しいけれど
話ができて、車椅子で移動できる間は
家族の助けで動き、食事も作り
変わらず過ごせていた。

しかし病気はひとのじんせ、生活を
おびやかす。

だんだん、記憶があいまいになり
言葉がでなくなり、
意識状態が変わってきた

もともとバリバリに働き、子育てし、家事も手抜きをしない。

子供たちはそばで、ずっと支えてきた
だから悲しいけれど、こらえて
お母さんを支えた

話が通じなくても
そばにいて、うんうん、とお母さんに付き添った

患者さんも
家族の声を聞くと表情がちがう
しばらくはそれなりに過ごすことができた

あしあとあしあとあしあと

ある日から

スマホの返信ができなくなった

これは誰でもわかりやすい変化

返事はないけれど、子供たちから
メッセージが送られてくる

旦那さんがそれをひらいて、呼びかける

「携帯は、本人がみることはできないけれど
子供たちはメッセージをおくるんです。
もちろん、子供たちも本人がみていないことは知っています」
「それでも携帯、おいておいていいですか?」

本人がみる。みないではない
家族のつながり

子供さん達もスタッフに挨拶する
なかなか恥ずかしがってできない子も多いけれど
ご両親の背中をみている

立派だなあ

お母さんは病気かもしれないけれど
お母さんであることに、かわりはない
きっとそれまでも、他の人にそうしていたのを
子供たちはみていたのだろう

ヒトは人であることにかわりはない
意識がなくとも家族のぬくもりは感じる

いまごろはもう子供さん達も大きくなっただろうな
元気にしてますか!
生きるんだよ!


この患者さんは
4月生まれで
桜色が好きでした
みえる?桜咲いてるよ🌸
また会えるかな?まっていてね