緩和ケア病棟ではがんと闘う治療は行いません

緩和ケア病棟に入ることに同意された、肺がんの患者さん

1週間、2週間、3週間と
過ごされました。
抗がん剤の影響はむしろぬけ、
体調は安定してきました。

痛みがあっても薬は使おうとされなかったけど、
だんだん痛みとの付き合い方は
上手になりました。

それでも
「あと1か月。充実して過ごしたいわ」
「緩和ケア病棟で死にたい」

1か月が過ぎました。

「先生?いつお呼びがかかる?」

ほねの痛みはあるけれど、だんだん元気になりました。

そう、入院前の不調は
がん治療によるものでした。

緩和ケア病棟でも、体調が安定したら、
退院します。

しかし彼女は頑なに拒みました。
1か月、2か月が過ぎました

体調はかわりません

おうちに帰れるよ、と幾度も話し合いを
しました。

3か月すぎました。

「ここで寝ていても、家でも一緒ね」
「外出してみようかな」

彼女にはその時間が許されたのです

肺がんの治療で、副作用が辛かったけれど
それが効果をあらわしたのです。
画像評価も行いました。
むしろ肺がんは縮小していました。

主治医の先生の
あと1か月くらい、をうらぎり、
半年をむかえるころ、ようやく退院を
決意しました。

退院時にいいました

「半年、こうやって過ごせて、よかった。
家に帰ろうと思えたのは、緩和ケア病棟が
せかさずにいてくれたから」
「どう過ごすか。どこで過ごすか。
考えたわ」

ありがとう、と帰っていかれました。

医者のみたては
あたらない

それにつきます。

長い入院は、よしとはされないけれど、
緩和ケア病棟は
期間とかあまり気にせずに過ごせる病棟でありたい

保険診療上
難しいのですけどね


志村けんさんの
テレビ
涙がでました