70代の女性が救急外来を受診されました。

2ヶ月くらい続く腰痛が、その日ずっと痛くて受診されたのでした。

多発の骨転移が疑われ、翌日整形外科に
紹介されました。

これまで治療歴もない
とくに病気もない

整形外科の若い先生は、困った
どこかに悪性腫瘍があるのではないか、でも
どこの診療科に相談すればいいのだろう?

すると、患者さんが口をひらきました
「たぶん、乳がんですよ。だって
何年か前から、左胸にしこりがありますから」

びっくりした整形外科医は慌てて外科に
紹介しました。

あしあとあしあとあしあと

やっぱり乳がんでした。
多発骨転移もあって、痛みも強い
痛みへの治療を優先してはじめました

乳腺外科の医師はホルモン治療に反応する癌であることから、治療をすすめました。

「治療はしたくないです。今までも
きづいていたけれど、病院に来なかったのは
治療をしてまで生きたくないからです」

「緩和ケアだけでいい」
「外科にはもう通いません」

しっかり
自分の意見があり、医療者に伝えられることは
彼女の強み

まずは痛みをとり、生活できるようにすることを
相談しました

治療については

ゆっくり考えましょう、と伝えました。

患者さん
「私にはたくさんの味方がいるのよ」