人は一度うまれたら、みんな死ぬのよ
少し早いか遅いか、だけよ、と

60代女性の胃がんの患者さんが
がん治療医が緩和ケアを勧め
緩和ケア外来に受診したときに
伝えたことばです

そしてこうもいいました

死ぬときがわかるでしょ、がんは。
だいたいのことがわかるから
やりたいことも感謝をつたえることも
できるでしょ

志村けんさんの訃報に触れて
思い出しました。

お別れは急にやってくることもある
志村さんは今、身体はらくになったけれど、
おどろいているだろうな
あれ?俺なんで?って

お別れの時はだれにもわからない

でも、がんは少し違う面もある。

がんは憎らしいけれど、お別れの時を
ある程度予測できる一面もあります

緩和ケア外来通院中の患者さん(子宮がんのAYA世代の患者さん)が、話してくれました。

「私はこの年で、病気になったけどさ。
それから考え方が変わったよ。人はみんな
あっちに行くんだよねー。早いか遅いかだよねー」

「病気になるまでは、食べ物もいい加減だし
自分の体なんて大事にしなかったよね。
病気になってから規則正しくなったし、野菜も
食べるようになった。病気だけど、むしろ
前より体調いいんだよね。変だよねー
私がん患者なのに」
「急にってことがないように、色々伝えてあるよ」
「急にお別れになることもあるじゃん?だからさ
ありがとうとかさ、ごめんね、とかは
できるだけ、その場で言うことにしてる」
「後悔したくないしね」


なんてしっかり考えているんだろう

永遠の命はないってこと

死を意識したとき、生きていることの
素晴らしさ、奇跡を感じる

お別れは急にやってくる
だからこそ、いまを生きないといけない、と
感じました。そして
予防でき、避けられる病気は避ける
若者も。




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