食べたいけれど食べられない

食べることはやっぱり生きることに
直結するから
誰もがわかりやすく、心配になる

でも、
だんだん食べられなくなる

色んな工夫をして
色んな努力をしても、だんだん
だんだん、食べることが難しくなる

しかたがないけど
生き物はみんなそう

そのかわり、寝る時間がふえたり
あまり活動しなくなったり
必要とするエネルギーも減ります

うらをかえせば、あまり食べなくても
大丈夫なことも多いです

一口でも何か口にする、ほおばる、

それが意味がある
美味しい!さっぱりした!ありがとう。

あしあとあしあとあしあと

さて、点滴についても考えてみましょう

食べられなくなってくると
患者さんも家族も
点滴してもらえますか?

と心配そうに言われます

まず、体に浮腫がない、胸水、腹水がない
わりと動ける

そんなときは比較的点滴をおこなうと
回復します(高カロリー輸液ではありません)

でも、浮腫んでいたり、胸水や腹水が貯留している状態だとかえってこれらの症状を悪化させてしまうことがあります

1日多くても1000ml程度の点滴をしながら
患者さんの状態をみて、細かく調整します。

利尿剤はからだとしては脱水傾向で
だるさのもとになることもあるし
電解質バランスを崩すこともあるので
注意しながら使用します

緩和ケアというと、点滴をしてもらえない?とか
何もしない?と思われるけど

ちがいます

細かく体調を看護師もあわせて観察して
必要な調整を
迅速に行う

最期まであきらめない
けれども患者さんの苦痛は最小限に

ちなみに、浮腫がつよいとき
少しでも水分をとれていたら、点滴をしない
判断をすることもあります
人のからだはすごくて、皮下浮腫の水分を
再吸収するんだな。

からだは生きることができるように
頑張るのだな、とかんじます

摂取するのは少量の水
少しのジュース

これに意味があるんです
これを支える家族は不安でいっぱい。当たり前です
そのご家族を支えるのは私達医療者です

大丈夫だよ。つらくないから

緩和ケアのきもち
奥が深いです


水面の下の足はせわしく動いている
でも
みためはゆうゆうと