最近はがん診断時からの緩和ケア、が広まってきて
化学療法の開発も進んで
私達も年単位で、診察させていただくこともふえました

30代の乳がんの女性患者さんでした。
およそ7年前に手術。化学療法を行いながら
仕事も家事も頑張っておられました。

ただ一つ。彼女は結婚と同時に病気が発覚したのです。今より少し前のこと。妊孕の問題については
あまり伝えられていませんでした。

若年世代のがん発病は比較的大きく
さまざま側面を配慮しなければいけません
まず、発病自体、セクシャルの面、仕事や学業、妊孕
などなど…

数年たち、なんとかバランスをとりながら
生活していたところ

「先生、もう私やだ。治療したくない。何のために
今までやってきたの?」
「私、こどもを産むの難しいって。そんなの
今更言われたって、もっと早く聞きたかったよ
ダンナさんになんていえばいい?」

大事なこと。だけど話しにくい。
当時はまだそういう時でした。

ある日、ふらつきが強くなり、受診されました。
脳への転移が発覚しました。

彼女は言いました

「私の人生はこれから。誰に何と言われようと
生きるから」

この時からが生きることの戦いでした。
続きます


生きる、ボクも生きてる