緩和ケアはがんの診断時からはじまります。

よく、化学療法が困難となったから緩和ケアに移りましょう、と言われている患者さん、ご家族にお会いします。

まあ、昔はそういわれていたかも

でも今は、ちがいます

さっきの言葉を正しくいいかえてみます

化学療法は負担が大きくなってきました。緩和ケアを中心とした治療に切り替えましょう

あくまで私の考えです。これが正しいとかではないです。でも、緩和ケアとがん治療はつねに補いながら
歩むべきものです。

あしあとあしあとあしあと

50代の肺がんの患者さん。診断時には家族にどう伝えるかを迷い、緩和ケアチームに依頼がありました。
その後治療に移行し、安定、増悪を繰り返して、いよいよ、病勢が勝るようになりました。元気で動ける間に、少しでも遊びたい、と化学療法をやめる希望を医師に伝えました。
緩和ケア病棟のエントリーをすませ、ぎりぎりまで自宅ですごされました。

その方の言葉です。

「人は色々いうけど、僕は緩和ケア、嫌いじゃないよ。だって、楽にすごせるし。話もゆっくりきいてもらえる。何人もの先生がいるって、すごくありがたいね。妻のきもちも看護師さんにきいてもらってるでしょ。あれで妻は救われているんだ」

たまにはそう捉えてくださる方があるんだね、と
チーム看護師とうなずきあったのを覚えています。

とらえかた、考え方ひとつ。

私達はがん治療のどこに患者さんがいても付き添います。医師や看護師のまえでよい患者でいる必要はありません。その橋渡しをするのが緩和ケアだと思います。


その割合は時にかわります。そういうものです