多職種で、診療科、職種の垣根を超えて話し合う機会を、キャンサーボード、といいます。

彼女の希望は、できるだけ家で過ごすこと。
娘さんと一分一秒長く過ごすこと。

抗がん剤治療が家での時間を伸ばすのか、伸ばさないのか、やってみないとわからない、と主治医

薬物療法医はリスクも高い。治療してがんが小さくなったとしても、入院が必要になるかもしれない。

ご本人とご本人が一番信頼していた緩和ケアチーム看護師が、これらをふまえて、相談しました。

「私、家で過ごしたい。いずれは寝たきりになるだろうけど、できるだけ娘におかえり、っていいたい」

在宅緩和ケアに移行することにしました。

すぐに在宅医、訪問看護の手配。高カロリー輸液、麻薬の手配。あっという間に整えました。

彼女は「もうひとついい?トイレに行けなくなったら緩和ケア病棟で入院したい。予約できますか?」

手配しました。

夫と両親とも話し合いました。
お別れが近いことを感じながら、どうすれば安心して過ごせるか、家族にもつたえました。

悲しみをこらえながら、ご両親も
一緒にお別れにむけて、準備しました。