せん妄術後などにも生じる可能性はありますが、こちらは改善することが多いです。
しかしがん患者さんの場合は、色々な原因があります。

①電解質異常→高カルシウム血症などの電解質異常
②血糖異常
③薬の影響
④痛み、呼吸のつらさなどの体調変化
⑤終末期

①から④までは早期にきづけば、なんとか改善することが多いですが、⑤は難しい。でも家族は悲しみや驚きにつつまれて、患者さんのそばにさえよれなくなってしまうことが多いのがせん妄。
医療者がきちんと理解しないといけない。

先ほどの膀胱癌、肺転移、肝転移の患者さん

点滴や高カルシウム血症に対してはゾレドロン酸、痛みや呼吸のつらさに対してはオピオイドを。
せん妄もあり、薬の調整を。まだ改善できるはず!

迅速に対応。家族の心配には看護師さんも親身に対応。一緒にそばにいる、患者さんとご家族の不安や心配もみんなで背負えば軽くなる。

10の荷物も10人でわければひとり一つ

諸々の調整を行い一晩休みました。
妻も付き添いをしましたが、ゆっくり休む本人をみて安心したのか、ゆっくり休みました。

翌日。意識が少し回復。ゆっくり話しはじめました

「そんなはずじゃないよ。だって、この前手術して、抗がん剤やろうって話をされて、そしたら、転移って」「そんなこと、一ヶ月の間にコロコロ変わったらさ、わかんないよ」「治らないのは自分が一番よくわかるから」

妻はそれを聞いて泣きました。ポロポロ涙がとまらない「知らなかった…私、大丈夫って、それしか聞いてなかった」「ごめんね…私に心配かけまいとしていたんだね」

本人のみに説明されていたのでした。
一時的に回復した意識のなかで、これまでの想いを妻につたえておられました。愛してる、ありがとう、と

そんなはずじゃなかったとならないためには
大前提として、本人、家族が、病気のことを
知っておく必要があります。わかるように、伝わるように、努める。医師のみでなく、看護師も、どう感じているかを、感じとるアンテナが必要です。

その後の妻については次に続きます
よりそう、一緒にいる