前にもかいたかと思います。

私の人生の師匠の一人ともいえる、乳がんの患者さん。痛み止めの医療用麻薬を使いながら自宅ですごされました。

乳腺外科の外来と緩和ケアの外来を受信、乳腺外科ではホルモン治療を、緩和ケアでは身体の症状の治療を並行して行いました。

緩和ケアの外来は一枠30分。長めなので、安定している時は、雑談も交わります。

そんななか、彼女ががんと診断されてから毎年行っていることを聞きました。

二種類の年賀状でした。

一枚はふつうの。
二枚目は
「私は、虹の橋をわたりました。おせわになりました。これからはかぞくをよろしくお願いします」

毎年準備し、毎年ふつうのを使ってきたわ、と微笑み

そろそろ、虹の橋バージョンだけでいいわね、
でも、これは旦那さんには内緒。

娘につたえてあるからね。

そうやって考えることは、つらくないの?と
質問しました。

なんで?ひとはみんなそうでしょ。一回しか死ぬことはできないし、人の死に方はわからない。
でも、きっと大丈夫と、思うのね。
わたしね、がんになって、いつか来るときのために調べたの。緩和ケアのことも調べ尽くした。
昔は、末期、って感じ。でも調べると外国はそうじゃないらしいじゃない?

いつか、日本も、と思っていたら
緩和ケア病棟がこの病院にできて、緩和ケアの専門の先生もきて。わたしの希望通りよ。

怖いことはないわ。頼むわね。


私のなかで、つらいとき、緩和ケアに行き詰まった時
思い出されます。


頑張ってますよー!また会いましょう!


その方から頂いた大事なお守りの焼きもの。