天気はよくないし、風は強いし、なんだかさえません。

この半年くらい、胃がん、Stage4、抗がん剤治療中で消化器内科と一緒に診させていただいていた患者さんがお別れの時をむかえました。
私達は緩和ケアチーム、外来での関わりでしたから、お別れのことは後から知りました。

しばらくしてから妻が、外来を訪ねてこられて、
「夫は緩和ケアチームを信頼していました。緩和ケア病棟に行ってのんびりしようね、って話していた矢先でした。でも、ありがとうございました」
「わからないことがあっても、怒っても、看護師さんが話をじっくりきいてくれて。どれだけすくわれたか」


私達、ほんとに支えられていたかな?と、悩みながらだったので、少し胸が暖かくなりました。

治療意欲の高い患者さんだった。若いし、主治医も若いし、治すって意欲がつよく、なかなか先のことをこちらから伺うタイミングが難しかった。

お別れの二日前のこと、急に病室で
「わかりやすくいつも説明してくれたでしょ、ありがとうね。今色々考えてるんだ」
(何を?)
「ん?先のこと。治らないもんねー。じゃあ楽に過ごそっか、ってかみさんと話してたんだ」
(治療のことは?先生にきけた?)
「まだだよ。先生は治療した方が、しないと死ぬのを待つだけって言うだろうね。だから言い出しにくいんだよね」
(そうですか…今度一緒に話し合います?)
「そうしてもらえると助かる」

これが私達との会話の最後でした。

予測された範囲の急だったけど、もっと話せばよかったかな、とか。一歩ふみこんでもよかったのかな、とか。

どうぞ安らかに。ご家族に日常がもどりますように。

緩和ケアって、緩和ケアチームって?
悩みませんか?


曇りのち晴れ