死んでもいいから治療をしてくれ、と言われたから、と、ある主治医が抗がん剤治療を行い、意思確認不十分のまま、実施されました。肺癌で治療をしてきた若い患者さん。生きたいに決まっている。ほんとに、大丈夫?なんどか、主治医とも話をした。

でも、1週間後急変。

ご家族は、治るときいていた、こんなはずじゃなかった、と悲しみにくれました。
がんの進行を抑え、がんによって起こる症状などをやわらげるための治療をしていたはず。なのに…

「たしかに、夫は死んでもいいって言ったけど、ほんとにって思っていたはずがない。先生達はこの結果を知っていたんですか?すこしでも良くなるために、って、そう信じたのに…」
「あと少し話したかった。無念だと思います」
「治療はなんのためにしたんですか?悲しい」

しばらくそばにいることしかできなかった。

10分くらいか、もっと長い時間だったかもしれない。
妻が、くちをひらきました。

「夫はがんばりましたよね。最期まで…でも、これから私達家族のような、悲しい気持ちになる方がないように、お願いします」

がんが小さくなることも大事だけど、その人が生きていくことが何より大事なのではないか。病院をでたら、その人は患者さんではない。父、母であり、夫、妻、子供、社会を構成する、一人の人であることを
忘れてはならない、ということ。

患者さん、家族を支えたい、そう強く思いました。

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