さすらいPAINTER~ジローの日記


子供の頃、修学旅行や遠足なんかで、神社とか、お寺とか、お城とか、そんな場所を訪れるのが好きだった。


そういった場所は、大抵は誰もが知っている、よく整備された、観光客だらけの場所なんだけど、


大人になると、誰にも知られていないような、朽ち果てかけ、草に埋もれたような史跡や、小さな村落で細々とお守りされているような、祠のような神社なんかに、魅かれるようになった。


よくドライブなんかしてると、ついつい、目ざとく見つけて、立ち寄ってしまう。


一度、掛川市の遠州灘をスケッチしに行った帰りに、たまたま高天神城址という看板を見つけて、行き当たりばったりで、立ち寄ってみることにしたんだけど、そこは、難攻不落と言われた断崖絶壁に築かれた山城址で、ひいひい言いながら、けもの道のような山道を登って行ったんだけど、


すっかり陽も沈んでしまい、真っ暗ななか、人っ子ひとりいない、本丸跡にたどり着いて、その後、二の丸跡や、空堀なんかを、手探りならぬ足探りで巡ったりしていると、


不意に〇〇佐衛門討ち死に跡とかという小さな石碑にぶつかって、戦慄を覚えたのだった。


まぁ、そこは徳川方と武田方が死闘を繰り広げて、数千人が討ち死にしたとかいう、血なまぐさい舞台だったんだけどね。笑


でも、タイムスクープハンターみたいな気分を味わって妙に思い出深い笑



前置きは長くなってしまったけれど、無理やり絵の話。。。


自分が住んでいる三鷹、吉祥寺、近辺、いや、東京自体が、史跡に乏しくて、せいぜい二、三百年前の

江戸時代のものばかりで、正直つまらない。


それも、周辺をコンクリートで固められ、或いは観光地化されて、おめかしされて、近年建て替えられ、そんなものばかりだ。(かろうじて残る宿場町や江戸の城下町風情も失われつつあるしね)


すぐ近くの国分寺市には、平安時代の国司址とかあるけれど、以来ここら辺は、ずっと武蔵野の荒野か畑だったんだから、千年以上の今に至る歴史の連続性がまるで感じられない。




まっ、早い話、歴史ある町や場所が醸し出す独特の雰囲気を、描きたいなって、いつも思うんだけど、周辺には、なかなかそんな場所がないって話なんだな。


極端な話、どうせ猫を描き入れるなら、化け猫が出そうな場所や、屋敷を描いてみたいものだ。

 

写真の絵は、ぼくがすむ小金井市の、はけの小路を描いたもの。東京の外れに住むようになって、珍しく描きたいなって思った場所でした。


画材はパステル。去年中目黒で飾った作品です。