本澤二郎の「日本の風景」(5199)

<愚かすぎる人間の選択=水源地に核汚染ごみ不法投棄の根っこ>

数日前のことだ。高知県在住の元国会議員秘書が電話をくれた。「今東京にいる。会えませんか」と。彼は防衛関係の新聞オーナー。50周年を迎えたえたという。「祝賀会には大臣も出席してくれた」「48兆円で景気がよさそうですね」といった会話のあと、房総半島の核汚染ごみ不法投棄事件のことを話すと、信じられないという驚いた様子が電話口から伝わってきた。「そんな重大事件がなぜ報道されないのか」と奇声を上げた。

「ここはやくざ代議士の地元。言論界も右翼化。わかるでしょう。やくざが支配する千葉県」に納得してくれた。同時に吉田茂や御三家の林譲治、林の娘婿の岩動道行のこと、彼の台湾人脈を利用してただ一度きりの家族旅行が台湾訪問だったことなどが、走馬灯のように瞼をよぎる。そういえば富山県生まれの妻の父親は、慶応大学から東宝にはいり、1942年は高知県の東宝映画館の支配人をしていて、そこで眞知子が生まれた。

 

思うに、地方も国もそこで蠢く人間の所作・質が決め手となる。愚かすぎる人間の判断、わずかなカネで行動する人間次第で、社会は大きくぶれる。その典型が房総半島の今であろう。

 

<水源地山林を売却した袖ヶ浦市環境部長>

袖ヶ浦市民の知らない、山を大事にしなかったごく一部の山林所有者の金もうけ主義が、フクシマの核汚染ごみの不法投棄を許してしまった。

手元に袖ヶ浦市林地区陣場台の山林1・5平方メートルの共有地売却資料がある。それによると、高谷地区の神谷敏夫ほか4人の共有山林を木更津市の産廃業者ワコーエコテック(有限会社)という妙な名前の会社が買収した。そこに途方もない大事件の遠因が存在した。

水源地を産廃業者に手放す人間がいた袖ヶ浦市。元環境部長の神谷らの利権あさりが、房総半島の命の水や大気を汚染している!住民の怒りだ。環境部と産廃業者の深い仲を知ってる人物は、多いとは言えない。双方とも連携しながら利権あさりに余念がないことを。いわんや産廃業者とやくざ暴力団の深すぎる仲も。凡人ジャーナリストは政治以外は知らなかったので、陣場台事件の真相を知るまで、およそ3年の月日を要した。

 

神谷元環境部長とワコーの間で何があったのか。神谷はむろん、ワコーの背後のやくざ人脈を知っていた。4人の中には元市議会事務局長もいた。4人のうち2人が、いうなれば袖ヶ浦市のエリートだった。土建業者と役人の腐敗関係はよく知られてきたが、環境部と産廃業者の底知れない腐敗など、政治記者にとって初耳だった。

地方の小料理屋の女将と業者と役人、そしてやくざ暴力団という

カネと女による地方経済が分からないと、地方自治の本旨のいい加減さが分からないのである。

 

ワコーが陣場台の山林を手に入れたのは2014年(平成26年)4月30日。すると3年後の2017年(平成29年)に土地の所有者はシムケン(株式会社)、2019年(令和元年)にはエコトランジット(株)、そして2022年(令和4年)にはシムケン(株)。土地ころがしをする世紀の悪徳産廃業者の狙いは、地元住民から姿を隠そうというのであろう。しかも、現在のシムケン本社は沖縄県沖縄市。社員は誰も住んでいない。

 

地元林・高谷地区住民が核汚染ごみを放射能測定器で発見し、大騒ぎになったのは、令和3年春から。ワコーの暴走は既に10年近く経っていた。なんということか!

人里離れた山林を産廃業者が買収した目的は、言うまでもなく産廃利権にある。「太陽光なら心配ない」と信じ込んだ地元住民の愚かさにも問題がある。つまり業者の騙しを知っていて水源地の山林を売った元環境部長らの罪も重い。

 

原状回復する責任が産廃業者にあることは言うまでもない。そして逃げる業者を放任してきた行政と政治にある。むろん、騙した産廃業者は罪は万死に値する。むろん、山林を手放した側の責任も重い。

40万人の水道汚染と核汚染の水田耕作者と漁師の被害も、計り知れないものがある。見て見ぬふりをしてきた袖ヶ浦市と千葉県は、直ちに核汚染ごみを撤去して、水源地としての陣場台の原状回復する責任を負っている。

市民・県民・主権者の代表である市議会・県議会・国会の責任も問われている。森林環境税を強要している政府責任も。まずは原状回復に直ちにかかることが、最優先事項である。不正腐敗の実行部隊であるやくざ暴力団追放国民会議の任務でもある。

人間の根っこが腐っていると大地と社会を亡ぼすことになる。房総半島の危機は、日本列島の危機でもある。亡国の因を消し去る責任が、日本国民にもある。傍観者は人間に値しない!

2024年6月19日記(茅野村の仙人・やくざ暴力団追放国民会議・政治評論家・日本記者クラブ会員)

 

危うい地球と日本! 

アメリカのワシントンを訪問中のストルテンベルグ事務総長は17日、ホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、7月上旬に開催するNATO首脳会議を前に、今後のウクライナ支援などについて協議しました。ストルテンベルグ事務総長は会談の冒頭、NATOに加盟する32カ国のうち、20カ国以上が2024年、国防費をGDP比で2%とする目標を達成するとの見通しを示し、ロシアによるウクライナ侵攻以降、加盟国がいかに国防費を増やしてきたかを強調しました。