本澤二郎の「日本の風景」(5130)

<神社(神道)の窮状は本当か?>

先日、木更津市内のやくざ暴力団の城を見学させてくれた御仁は、やくざ暴力団と日本の宗教団体に詳しい。彼は「日本を駄目にしているのはやくざと宗教」と強く指摘した。「この二つを何とかしないと日本は衰退する」とも断じた。安倍晋三が銃撃されて背後の統一教会国際勝共連合の不当な金集めが暴かれた。ただし、もう一つの笹川ギャンブル財団は生き延びて、森喜朗や萩生田光一を守った。

 

金集めは統一教会や創価学会だけではない。自民党と一体化してカネと票で癒着している宗教法人・神社本庁もしかり。戦前の国家神道であるが、この神社がカネがなくて苦しんでいるという記事が配信されていたので、強く否定したい。

自民党の腐敗の根源の一つは、政教分離もわきまえない神道との癒着にある。歴史学者は「原始宗教に毛の生えた程度のお祓い教」と断じているのだが。確かに中身は何もない。討幕運動に絡めて薩長同盟が、戦争の錦の御旗にしたのが、当時は京都に蟄居していた天皇。天皇家の宗教を国家神道に格上げ、他方で廃仏毀釈運動で仏教を排斥した。全国に無数の神社を作った。全国民に神道信仰を強制した。「天皇のために命を捨てることが男の本懐」という途方もない屁理屈で、第二次世界大戦で300万人の若者が命を奪われた。

一方で、アジア諸国民数千万人の命や家庭を崩壊させた。しかし、天皇は象徴天皇に衣替えして戦後も生き延びて、ワシントンの沖縄支配を容認するなど暴走の限りを尽くした。史実として認めざるを得ない。

 

国家神道も天皇にならって「神社本庁」という宗教法人として、

地域社会に生き残って政治団体の自民党に癒着、保守合同後に神道政治連盟なる怪しげな組織を構築して、森喜朗・清話会、小泉純一郎・清和会、安倍清和会のもとで、権力の中枢を抑え込んだ。事実上の国家神道の復活か。

 

今では選挙の主役は、神道の氏子集団で自民党候補者に付着して、怪しげで他愛もない神主(かんぬし)の祝詞(のりと)と選挙事務所の中央に飾った「神棚」(かみだな)に拝礼させて、資金稼ぎをしている。むろん、裏金で処理されている。

 

一部報道によると神主の一人は「13神社の宮司(ぐうじ)を兼務しているものは珍しくない。収入は大したことはない。収入はすべて宗教法人の口座に入金、そこから報酬を得ている。年間約140万円。宮司だけでは生きられない。都市部の神社も同じ。一部には

さい銭・祈祷・札・守りといった収入では生活できない」と悲鳴を上げているのだが?本当か、嘘である。

 

<国家神道も神社本庁も腐敗カルト=しがみつく利権ポスト>

明治神宮の銀杏並木伐採による巨大利権開発について「神宮の収入減が原因」というのだが、果たして事実なのか。神宮外苑というと、学徒出陣という悲惨な情景を思い出してしまう。学生を戦場に送りだした因果ではないか、と思いたくなるのだが、若者を戦場に狩り出す装置になった神道は、天皇同様にいまだに反省も謝罪もしない。宗教は自由であるが、歴史を知る人間にとっては神道はその対象外であろう。

 

10年ほど前、愛媛県を旅した時、案内人が神社の「氏子総代(うじこそうだい)」というものだから、かねてから疑問を抱いていた神社の「巫女(みこ)」の役割について問いただしてみた。なんと「売春婦」という率直な返事が返ってきた。

最近の神社本庁スキャンダルの中では、確かに一部で男女関係も話題になっている。密室カルト教団も、徐々に蓋があいてきたものか。人事面の抗争も自民党に比例して派手だ。利権が渦巻く神道カルト教団の実態を裏付けている。それでも手を合わせる森喜朗・清和会、安倍・清和会や自民党議員の精神が健全かつまともとは信じられない。裏金脱税犯罪に手を染める政治屋ばかりと言っていい。

 

戦前の名残りの一つに、町内会・自治会・区会(昔は部落)が今もある。地方の行政が背乗りして、住民支配に悪用している懸念も根強く、憲法の住民自治を邪魔している。この組織は、地域によって多少の違いがあるが、かなりのカネを住民から根拠もなく集めている。準公的な資金だが、神道はここから相当な金をかすめ取っている事実が、以前から問題になっている。

1億2000万人から集めた資金の総計は、数百億円に上るとの指摘もある。自民党の神道政治連盟も、神社本庁経由で、ここから吸い上げているに違いない。

房総半島の袖ヶ浦市のある氏子総代経験者は「連中はコストのかからない白い紙を配って氏子信者からカネを集めている。指摘されると胸が痛む」と明かす。

ちなみに筆者の地元の部落(区)では、年間の区費8000円、消防費4000円で合計1万2000円。ここから神道はお金を強制的に徴収している。国税顔負けだ。第二の「国税」か。一部の氏子と宮司が、宗教法人の祭礼目的に容赦なく吸い取っていることが分かってきた。憲法の政教分離・信教の自由どこ吹く風か。

 

戦後の地方自治は戦前の反民主的なルールが、今も踏襲されていることに驚く。神道支配と自民党支配の壁をぶち破ることが、本来の地方創生なのだ。神道信者の氏子の共闘は、市民・住民不在そのもので、民主的な平和憲法の精神に違反している。恐ろしい。

既に京都では、自治会が神道祭礼寄付問題を法廷に提訴し、大きな話題を提供した。

自治会を牛耳る氏子の違法金集め行為は、いずれ大きな政治問題になるだろう。野党はここに目を向け始めている!

 

<神社本庁の宮司独裁・神道政治連盟独裁の安倍・清和会独裁>

地域で暴走する神道信者・氏子の暴走に恩恵を受ける自民党という悪しき構造が、この国の独裁を容易に具体化させる。

安倍・清和会の独裁を可能にさせた最大の要因は、神道天皇制と無関係ではない。森の「神の国」発言は、神社本庁と神道政治連盟の頂点に立った当人の思い入れが、その暴言を可能にした。

続く小泉純一郎は、国際社会が警戒と反発をする靖国神社参拝で、特に被害国のアジア諸国の信頼を失った。森と小泉の支援を受けた安倍は、改憲軍拡と中国敵視政策によって「台湾有事」を喧伝して、沖縄など南西諸島をミサイル基地化、危機を煽り続けた。その延長線上に、岸田文雄の43兆円の戦争準備計画が始動している。

 

安倍独裁が岸田独裁へと移行している。目下の米国大統領・バイデンの国賓を可能にしたものである。「米国の属国化の深化」に平和的な国民は震えあがっている。恐ろしい先の見えない航海を強いられた子羊は、何も気づこうとせずに哀れをかこっている。

一方で、神社本庁の内紛は収まりそうもない。カルト神道教団が分裂しているのだろうか。幹部の3000万円横領事件も発覚した。大金を懐に入れた神道内紛は止まらない。

安倍応援団の神社幹部が不倫か、神社界揺るがす裁判に影響も」「神社本庁で新たな醜聞が浮上 」「守旧派理事の責任問う声」「日本会議常任理事も務める極右団体・神社本庁幹部が部下と ...以上は、最新のネット記事の見出しである。上部は安倍が姿を消して権力闘争、下部は国民の公金横領に懸命か?狂気乱舞の天皇制神道の今後に注目したい。2024年4月10日記(護憲リベラルの茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)