本澤二郎の「日本の風景」(5112)

<築130年の旧野村泰邸が火災=野村塾生思い出の館=近くに非戦論者・女性記者一号の松本英子生誕の家も>

世の中を明るく、希望の持てるようにするためには、人々の不断の努力・汗かきが不可欠であるが、日本人はその点で60点を取れない。一昨日の突風の吹く夜に地域の改革に取り組んできた野村塾の

築130年の思い出の館が、漏電火事で焼け落ちた。思い出の写真集とともに消えた。「2024年の春だ、再生せよ」の掛け声も聞こえてきている。

 

<東京湾横断道路計画を住民サイドで運動>

東京新聞記者から知事特別秘書、千葉日報編集局長、千葉テレビ常務などを歴任した野村泰さんの最後のような奉仕活動が「野村塾」だった。現在のアクアラインの計画段階から研究を始めた。サンフランシスコ視察から木更津市の沈下を予想した卓見は今も頷ける。

対岸の木更津市など房総半島の君津郡市は、単なる通過地点に過ぎない。鉄道併設を提言したが、結局は財閥と政治屋の利権優先で決着をつけ、今日に至っている。

何事にも批判精神を持てという塾の精神は、野村塾の基本姿勢となって、塾生は千葉県や千葉市、木更津市などに散ってそれぞれ活躍した。

筆者は反戦平和軍縮と日中友好をライフワークにして生きてきた言論人だ。日本人として女性記者第一号で、晩年米国で非戦論を唱えた松本英子女史の生家は、野村邸から車で5分。古川財閥の足尾鉱毒事件を足で歩いて取材し、明治の神道天皇制国家主義に対抗した。彼女は中国思想を幼くして体得、上京して西洋・キリスト教の世界にも飛び込んでの二刀流で、足尾住民の悲惨な実情を自由のない人々に伝えて、官憲の怒りを買った反骨の人だった。

 

野村塾での思い出というと、30代前後のころのことで、勉強会の様子をガリ版で刷って塾生に配るのが、筆者の仕事だった。聡明で文字をきれいに書いてくれる、確か池田キミエさんを、今も懐かしく覚えている。人材の宝庫のようで、君津郡市の議員や市長選に飛び出す人たちも少なくなかった。現に木更津市長になった反ハマコーの石川さんの選挙公約を作成した。

 

戦時中は日本軍の飛行機乗りだった野村さんは、明治大学を卒業したが、同窓生に近くの自動車販売で成功した半島出身の千代田さんがいた。その関係で、まだ自動車エンジンも作れなかった韓国を訪問した。メモを取る筆者の大学ノートを、現地カメラマンが検閲する軍事政権の頃だった。また、小学生で机が隣同士の金海君が、朝鮮学校で覚えてきた「ふるさと」を朝鮮語で教えてくれ、後年在京政治部長会のソウル五輪直前に韓国大統領府を訪問して、当時の盧泰愚大統領会見で恐る恐る質問をしただけでなく、韓国大使官要人の前で「ふるさと」を披露すると大変感激してくれた。半島の人たちへの差別感は、幼いころから存在しなかった。

 

<塾生の中にはブルーベリー生産で大成功した江澤貞雄君も>

大半の塾生は亡くなったり、老いて一線を離れているが、現役では日本のブルーベリー農家を指導している江澤貞雄君がいる。

旧野村邸延焼の知らせをしてくれたのも、彼だった。

無農薬の健康果樹の栽培に人生をかけたことが、成功の秘訣に違いないだろう。

 

<やくざ暴力団を排除した石川市政を誕生させたが、今は入れ墨やくざ暴力団専用?の風呂やオスプレイも駐留する木更津市>

「腐臭列島 房総半島の闇」(データハウス)を2001年に出版したが、ヒントをくれたのは野村さんだった。数日にわたって野村邸に入りびたりながら、房総半島の利権の数々を証言してくれた。

 

それまでの胸に秘めてきた不正の事実をぶちまけてくれたことが、

出版の契機だった。三井財閥にひれ伏す千葉県だった。それが現在も尾を引いている。

 

猛省する点は、なぜ野村塾としてやくざ暴力団追放に目を向けなかったのか。やくざ支配の房総半島をよく知る議員秘書の日景省吾氏は「やくざと警察がつるむ千葉県・房総半島は深刻」と指摘してくれる。「やくざ民主主義」の列島化であってはなるまい。やくざ暴力団追放国民会議結成は避けて通れない。

一般市民・主婦・学生・法律家・学者・文化人の参加を呼び掛けたいと思う。

2024年3月22日記(反骨反戦ジャーナリスト・日本記者クラブ会員)

 

贅を尽くすNHKの暴走提訴を許すな!

報道によると、NHKは3月21日、受信契約を結んでいない大阪府内の5世帯を相手取り、契約の締結、受信料と割増金の支払いを求めて大阪簡裁などに提訴した。昨年4月から正当な理由なく期限までに契約を申し込まなかった世帯などに割増金を請求できる制度が導入されており、制度に基づく提訴は東京都内の3世帯に続いて2例目。

 

福島雅典名誉教授の文春記事 ヤフーのコメント欄が阿鼻叫喚の世界に  魑魅魍魎男 (asyura2.com)

 

著名人を使う、投資詐欺に注意を!