本澤二郎の「日本の風景」(5105)

<意図的につくられた統制資本主義下の異常株高>

「日本の経済は、戦前から戦後になっても変わっていない。統制経済で自由な市場経済ではない」といち早く警鐘を鳴らした御仁は、平和軍縮派で戦闘的リベラリストの宇都宮徳馬。安倍晋三が打ち出したアベノミクスこそが統制経済そのものである。国民生活を豊かにする視点がない。すべてが財閥の利益追求に執着する悪徳経済そのものである。

現在の異常な株高は、まさに意図的に作られたもので、健全な自由経済とは異質である。必ず破綻する。安倍・清和会政治の悪徳の象徴である。

 

<政府は莫大な借金=日本銀行異次元円札発行で円激安=財閥はぼろ儲け・国民は物価高騰で呻吟>

この10年、何が変わったかというと、物価の番人である中央銀行(日銀)がその使命を放棄して、財閥株の暴騰を策した。

政府は国債という借金づくりに狂奔して、これを乱発し、日銀がそっくり引き受けて、膨大な量のカネを印刷して株式市場に垂れ流した。金利はゼロ。日銀が最大の株主となり、ゼロ金利に外資のハゲタカが飛びついて、異常な株高を創り上げた。イカサマの株高で財閥は、内部留保急増に徹した。その額は500兆円を軽く超えているといえる。最近の春闘での満額回答などは、彼ら財閥経営陣にとって「雀の涙」でしかない。

 

一方で、国民はガソリンなど輸入品の高騰による物価高で泣かされてきた。これに農協までがワル乗りして農産物を急騰させ、人々の生活を窮地に貶めている。子ども食堂を見よ、生活保護世帯の急増を見よ、である。財閥と農協の悪徳の暴利に怒りがこみ上げる。何のことはない、90%の国民の利益を財閥が吸い上げてしまってきている。この悪しき統制経済は、戦前から変わっていない。アベノミクスこそが、国民の資産・台所から絞り上げたもので、財閥は世紀の吸血鬼そのものであろう。

 

改めて議会人の不勉強に怒りを覚える。三権の報酬はほぼ世界一という背景を知れば、彼らの沈黙を理解できるだろう。それでも裏金脱税の自民党は、鬼畜そのものであろう。それでも沈黙する言論界と政界もまた奴隷そのものか。

 

<米国ノーベル経済学賞受賞者が「日本の経済性は各国平均に届かず低下している」と断罪>

米コロンビア大学のスティグリッツ教授が、日本経済の停滞と低迷ぶりに警鐘を鳴らしているのも当然であろう。浮かれて無知な報道をしている輩たちは、経済学者か財閥のお先棒を担ぐ評論家・経済記者である。

世界経済をひっぱることができるエンジンは、日本列島のどこにもない。それどころか54基の危険すぎる原子力発電所ばかりではないか。ものつくり日本のメッキは、とうの昔に剥げてしまっている。日本製に驚く人もいない。生きるための無農薬・無添加食品さえもない有様ではないか。

 

指摘するまでもなく、使用済み核燃料棒の処理も不可能である。第一、フクシマの廃炉問題でさえも、あと100年かかる覚悟が必要である。巨大地震に不安を覚えながら、武器弾薬で生き延びられる?ありえないことである。

 

<トランプ復活に怯え始めた国際社会>

米国の教授は、アメリカン・リベラリストとしてトランプ復活に警鐘を鳴らしている。新たな世界混乱の再幕開けになるだろう。トランプの「今だけカネだけ自分だけ」の暴走には「民主主義の観念がない」。傷ついたオオカミどころではない。

いま若者向けの歌も話題になっている。それは「選挙か戦争か」。

2024年3月15日記(平和軍縮派の反骨ジャーナリスト)

やくざ暴力団が跋扈する房総半島から非戦の闘いを!核汚染ごみ排除=水と空気の汚染許さず!