本澤二郎の「日本の風景」(5078)

<日高金属の銅リサイクルの危険な闇=43兆円始動>

国際的な経済誌「フォーブス」が最新号で「銅の価格がさらに上昇」とする記事を流した。さっそく中国人経営の日高金属の千葉県袖ケ浦市の林リサイクル工場の猛毒汚染水疑惑を追及している被害住民が反応した。戦争中、米機を3機撃墜して勲章をもらったという父親の遺品(薬莢)を取り出したのは、同市前選管委員長の御園豊さん。「銅は銃弾の材料」というのだ。ロシア・ウクライナ戦争一つ考えても、膨大な量の銃弾が人間を殺している。ウクライナ支援の欧米の軍需産業が株価を釣り上げている。恐怖の地球を印象付けて余りある。

 

ニューヨークだけではない。兜町もそうだ。岸田内閣が閣議決定した43兆円の「戦争準備」計画は、安倍・清和会と日本財閥の陰謀である。真っ向から憲法破壊を意図している。しかし、新聞テレビから軍縮平和の合唱が全く聞こえてこない。不思議なことに国会の衆参予算委員会でも「43兆円阻止」の声も動きもない。「二度と若者を戦場に送らない」と戦後から叫び続けてきた日教組などや、連合からも。日本全体が沈黙している!日本国民すべてがA級戦犯の岸の配下、共犯者になったものか。

 

空前絶後の借金の山を、戦争でチャラにしようというのであろうか。戦争国は言うに及ばず、軍事政権のミャンマーでも徴兵制に怯える若者が、隣国へと脱出している現在である!日本でも起こりうることが、43兆円によって想定されているではないか。それでも言論も議会も沈黙、死の商人の闇の世界に委ねてしまっているようで不気味この上ないのだが?市民運動はどこへ消えたのか。

 

銅の需要がものすごい勢いで伸びている。その一翼を日高金属も担っているのであろう。俄然、袖ヶ浦市に緊張が走り始めてきた。袖ヶ浦市を代表する市民運動家の関巌さんの父親は、許されざる天皇の侵略戦争に、有無を言わせずに教壇から引きずりだされ、最愛の妻と子供を残して無念の死を遂げている。その胸の内は今も怒り狂っているのであろう。

 

闇夜に、高い塀に囲まれた日高金属の銅リサイクル工場にトレーラーが大量の銅スクラップを運んでいることは、ワコーの核汚染ごみ埋設事件と同様に、人々の「命の水」が危機にさらされていることに警鐘を鳴らしているのだが。

 

<武器弾薬の戦争需要+α>

戦前の日本は、鉱毒事件で有名な栃木県の足尾銅山において、中国人や朝鮮人を強制労働させても、作業員は不足した。米兵などの欧米捕虜まで動員して銅の採掘を行った。

戦争と銅の関係は、人の命を奪うというあってはならないことである。しかし、岸田内閣は43兆円で日本の軍需産業を完全復活させて、ワシントンの産軍複合体と連携して中国との対決に備えている。実に馬鹿げた極右と財閥の野望実現に突っ込んでいる。

昨日は野蛮な木原防衛相が沖縄を訪問、辺野古基地建設に発破をかけた。沖縄列島のミサイル基地化は許されざる行動である。かの国の強力なミサイルを呼び込もうとしているのであろう。

 

原子力発電所の核と銅の行き着く先は、小学生でも予見できるだろう。そうしてみると、房総半島の水源地における住民の怒りと叫びは、国内問題と国際問題の危機と無関係ではないのかもしれない。国際的な使命を帯びていることに人々は気付くべきだろう。覚悟の反対運動に覚醒し、声を挙げなければ人間失格だ。

改めて安倍・清和会の高市ら台湾有事にのめりこむ、浅ましすぎる政治行動を、批判することもなく報道するだけの右翼言論界を見せつけられてきた日本国民だったことに反吐が出る。

 

<中国も輸入拡大・銅収集業者も驚くキロ1200円>

中国も2023年は、金に加えて銅輸入量は、史上最多となる2754万トン。日高金属の社員は、木更津市内の金属収集業者の作業場に飛び込んで「銅1キロ1200円で買う」と宣伝し、業者を驚かせている。洗浄は林地区のリサイクル工場で。排水を清流・松川に垂れ流して4年程たつと住民。川から蟹も魚も消えていない。これが40万市民の水道水に化けていく。必死で蓋をかけるやくざ系の首長の袖ヶ浦市。鈴木という愚かな環境部長は「飲料水は買って飲んでいる」と豪語している。住民の決死の運動が、より本格化してゆくことになろう。

2024年2月18日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)