本澤二郎の「日本の風景」(5074)

<官房機密費は首相と官房長官自ら懐に=天下人への夢階段>

安倍晋三の犯罪は、首相になれば人殺しをしても責任を問われない、どんな悪事も働くこともできることを天下にさらした。因果応報か、奈良で狙撃手によって殺害されたが、犯人捜査は行われていない。

安倍を首相に祭り上げた犯人は、当時首相だった小泉純一郎。彼の周囲でも人(千葉市出身の芸者)が死んでいる。彼は極右のA級戦犯の孫を官房長官に起用して、安倍の国取り資金づくりに手を貸した。同じく今回、安倍の配下の松野博一も官邸入りして、官房機密費をつかんだ。

裏金1051万円を政治資金規正法に記載しなかったため、官房長官を更迭されたが、その2週間前に自身のために4660万円を引き出した。しんぶん赤旗が暴いて、松野は議員辞職を迫られている。極右・松下政経塾で学んだ、彼の皇国史観は裏目に出た。「神風」は吹かなかった。同じく高市早苗はしぶとく残っている!彼女が神道政治連盟の威力を見せることができるか?21世紀の神頼みにもあきれるほかない。

 

<安倍8年間の知られざる菅義偉の機密費乱用>

林芳正官房長官は、2月13日の衆院予算委員会で、松野が昨年12月1日から辞任した同14日までの間に内閣官房報償費(官房機密費)4660万円を支出した、と明らかにした。

公金横領事件として立証されるような官房長官による「泥棒」ではないだろうか。刑事告訴されるかもしれない。林に頼み込んで、こっそりと返還すれば、罪が多少、軽くなるかもしれない。

 

同時に国民は、8年間もの長期間、安倍内閣の下で官房長官だった菅義偉のことを思い出す。どれほどの大金を懐に入れたものか。子分をかなり作ったことも分かっている。ずるがしこい菅は、派閥を名乗らなかったが、沢山の子分を養ってきた。官房機密費を乱用した悪しき成果である。

彼は五輪疑獄事件でも大活躍した。石川県知事の馳浩の1冊20万円のアルバム代だけではない。IOCの買収資金にも手を出した。会長のバッハに何を贈ったものか。人々は関心を持っている。

 

<菅の証人喚問で安倍犯罪の全貌が判明=野党の追及はいかに?>

安倍犯罪を処理した最大の功労者である菅に対して、安倍も頭が上がらなかった。安倍の取り巻きからも「後継者は菅」という合唱をさせた資金も。そして周辺にまとわりついた新聞やテレビ記者への「ご褒美資金」はどうだったのか。

TBS強姦魔に対する手厚い配慮にも驚かされるだろう。伊藤詩織さんの名誉を毀損した中村格に対しては、警察庁長官に格上げさせただけではなく、官房機密費も使ったはずである。

森友・桜・加計などの重大事件における火消し役として大活躍した菅の金策の行方に改めて注目したい。

安倍事件は、未だに何も明らかにされていない。NHKの安倍番記者20年の秘事についても、菅は承知しているだろう。菅の頭は、安倍事件で破裂寸前ではないだろうか。彼の地味な行動と安倍銃撃事件と関係があるかもしれない。

 

<森喜朗・小泉純一郎喚問で安倍後継者づくりの黒幕が判明>

日本社会は安倍・清和会の政治の下で墜落し、腐敗の数々を生み出した。自民党から護憲リベラルが消え去り、極右片肺政治が公然と列島と東アジアを席巻した。

歴史の教訓は忘れ去られ、平和憲法をないがしろにする偏狭なナショナリズムが列島を覆っている。言論界も好戦的な右翼ナベツネ言論が幅を利かせて、人々の頭脳を翻弄してきた。その時代も終わった。

森と小泉も証人喚問が不可欠だろう。安倍後継者づくりの黒幕を暴き出すのである。

世は白梅がみだれ咲いている。袖ヶ浦市の幽谷でも紅梅が満開だ。左も右もなく人々は不安の中で、清和会の悪政に怒っている。白梅に向き合える政治家がいるだろうか。いたら国政調査権を国民のために行使して、腐敗と悪政の根源を暴き、二度と極右・清和会の政治を招き入れるという愚を冒さない民主的な国民にさせなければなるまい。

2024年2月14日記(日本記者クラブ会員・反骨ジャーナリスト・政治評論家)