2月13日。
凍えるような風が強く吹いていた日。
夕方、新木場へ向かった。
ART-SCHOOLの活動休止前の
最後のライブを見るため。
展示『SONIC DEAD KIDS』で
アルバムのタイトルを拝借したので、
改めてその気持ちを表す意味もあった。
僕は、このバンドの親しみ方において偏った考えを持っていた。
即ち「ART-SCHOOLはヘッドホンで聴きたい」
ということ。
だから、大好きなバンドだけれど
実はそれまでライブに行ったことはなかった。
それは別に人の嗜好なので
正誤の判断の対象とするようなことじゃないけど、
結論として、これは省みるべきだ、失敗したと思った。
ART-SCHOOLのライブは
かっこよかった。
心からそう思えた。
彼らの奏でる音楽は
常に僕の脳みその中にあったが、
この日、それらの音楽は
目の前で新しく生み出され、花ひらいていった。
彼らは、誠実に語った。
僕は、
彼らの音楽を好きでいたことを、
誇りに思える。
そう感じた。
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二度目のEncoreでは
意外な曲が演奏された。
『しとやかな獣』だ。
おそらく映画のタイトルからとった曲名。
彼らもまた、
何かに出会いながら歩いてきたのだろう
裸足で、生々しく傷つきながら。
「美しい しとやかな獣よ、
あなたは汚れたままでいい。」
この曲を最後に演奏して、
彼らは舞台を去っていった。
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僕たちは口汚い言葉で誰かをののしる。
そして悲しくなる。
「かつてあんなに愛されたり
あんなに美しいものに出会ってきたのに、
なぜこんなにもうす汚く、
冷酷になった自分がいるのだろう」
と。
でもこの曲が何かを告げてくれた気がした。
貴方たちの音楽が鳴っている間は、
きっと時々、そのことを思い出せる。
だから僕は、彼らの復帰を待っている。
長い旅路のどこかで、また会おう。
