記念すべき名店巡りの最初に申し分のない相方が常滑から来てくれた。我が慕う人生の先輩。大寒の土曜日昼、みなとみらいから昔思わせる町並みに向けて桜木町駅を越しながら、久しぶりの再会を喜ぶ。居酒屋、中華、イタリアン、いろいろな店がありますがここでいいですかと叶家の暖簾をくぐる。

 一番奥の席にどうぞと案内され、コートを脱ぐや積もる話の合間に定食メニューは差し置いて熱燗と単品メニューからもずく酢、牛タン塩焼き、ふぐ唐揚げ、しめさば。小皿を2枚づつは気が利いてるなと、お猪口を選んで酌み交わしまずは冷えた体を温める。ふぐ唐揚げは小骨が愛嬌、ころりとふっくらしたふぐが5、6切れ、塩を付けて温かいうちにと上品な白身を味わう。

 この春、滋賀県湖南市岩根山国宝善水寺にて開かれる彫刻展のあるという。善水寺は「奈良時代和銅年間(708~715)元明天皇勅命により鎮護国家の道場として草創され」た古刹。その広い境内の春夏の緑と花を舞台に、現在彫刻が点々と配置され千年の時を超えた諸堂諸仏と出会う。思うだに異色の邂逅なれど、時を経た大木巨石を現代に活かす彫刻なれば古仏も親しくお迎えあらん。

 話弾んで熱燗2本目。適度な歯応えの牛タンと下ろし生姜をちびりと載せたしめ鯖、相方の注文も我が注文の如し。とろろの載ったもずくを半分小皿に取り分け賞味。そろそろ食事時かと諮れば飯よりエキスと直ちに一致、最後の一本を注文。

 彫刻展は花祭り潅仏会、釈迦の誕生を祝い、現在彫刻と古刹の新たなハーモニーの誕生を祝い、この時期だけ公開される天平時代1200年前にお生まれなられた国宝金銅誕生釈迦仏立像を拝みに、春旅立てばまた酒も酌み交わすべし。締めて4,690円。(楽水)

叶家      
http://www.yokohama-kanouya.com/index.html
岩根山善水寺  
http://www.zensuiji.jp/freepage_2_1.html
現在彫刻    
http://www.shinseisaku.jp/member/profile/sculpture
/sugimoto_junichiro.html
岩根山物語・石の彫刻シンポジウム 
http://www.iwane-web.jp/other/choukoku.html