日本心理教育院 www.jip.ac



日本心理教育院は、全世界の人を対象に傷治療と心理治療の中核となる「こころ理論」と「性こころ理論」を開発し、心理障害の治療技法を完成させ、全世界へと進出を続けています。皆さんの幸福のために一層の努力を尽くして参ります。




 

親と子供の葛藤は、親の思考基準と子供の思考基準が衝突することで発生します。このとき人々は葛藤の原因を誰かの過ち、間違いだと捉えるために葛藤が解決されずに関係が悪化していきます。

 

親と子供の葛藤を解決するためにカウンセリングを受けていると仮定してみましょう。カウンセラーが親と子供と関連して是非如何の観点でアドバイスをしているなら、それはカウンセラーの思考基準であって、親の基準でもなく子供の基準でもありません。したがって親と子供の思考基準に対していくら専門家でも是非を判断して話すことはよくありません。

 

葛藤がまったくない夫婦、親子、家族、恋人同士なら、一人が抑圧をしているか、相手に関心がないケースです。お互い相手に関心があると、共に幸せになるために自分の思考基準を相手に適用して葛藤が発生せざるを得ませんこのとき葛藤の原因は誰かの過ちなのではなく、自分の思考基準がつくりあげたものなのです。

 

親と子供は各自の思考基準が異なるために、子供が考えたときの親の考えは自分には合わないものであり、親が考えたときに子供の考えは当然自分には合わないものです。このときお互いの思考基準が異なることを認めるとそれ以上葛藤は起こらなくなります。

 

中には自分の思考基準がまだ形成されていない子供たちがいます。親の言うことをよく聞き、勉強もでき、何でも親が望む通りに行動してくれます。これはまだ子供に自己が形成されていないためです。自分の思考基準がないから、親に言われた通りにしているのです。傍から見ればとても素直で良い子に見えますが、このような子供は成人になったとき自分の基準をもって自己実現を追及していくときに困難にぶつかるようになる可能性がとても大きいです。

 

親は親自身の思考基準に沿って話をして、子供は子供自身の思考基準に沿って話をするると、対立と衝突を起こすのはとても自然な現象です。大抵は子供が弱者の立場なので、親は親の思考基準を子供に強要することになりますが、これは子供の思考は捨て親の思考で人生を生きて生きなさいと言っているようなものです。

 

ここで仮に、親が「○○をすると幸せになれる」という基準をもって子供に強要しているとしましょう。親は長年積んだ自分の経験と記憶によってつくられた基準があるのですが、子供は親の同じ経験と記憶を有しているのではありません。経験と記憶がない状態で基準だけをもって子供が生きると、子供が幸せになれるかどうかは未知数です。子供は親の経験と記憶をもっていないのに親の基準で生きると子供が幸せになれる可能性はむしろとても低いと言えます。このように子供が親の基準に沿っていきると、子供に問題が起こる可能性のほうが高いのです。親の基準ではなく子供自身の経験と記憶による基準に沿って生きてこそ、健康な幸せな人生を生きていくことができるのです。親は自分の基準を子供に強要するのではなく、子供が健康な思考基準をつくっていけるように支えてサポートをしなければならない存在なのです。

 

よく思春期とか反抗期という表現を使います。どうして思春期や反抗期の現象が起きるのでしょうか?これは子供たちや親の思考基準が間違っていると判断して対立と衝突が起こり、それに子供たちが耐えられなくなって彷徨する現象です。最近は中2病という表現も使われますが、その理由は子供たちは中学校くらいになると、自分で思考をして思考基準をつくりながら自己を形成していく時期だからです。このとき親の基準と子供の基準が合わないからといって親たちは子供の基準が間違っていると考えず、子供が自分で思考できるようになったことを喜んであげるべきです。

 

親が子供の基準を認めないから、子供も親の基準を認めずに、それによって葛藤が引き起こされるのです。人間なら誰もが各自の基準をもって生きていくということを認知できないから、自分の基準を他人に強要しようとして、他人との葛藤が続くのです。

 

子供にはまだ経験と記憶が浅い状態であり、それによって思考が未熟であることは当然です。子供の思考が間違っているのではなく、子供のたちの立場で自分の経験と記憶からそのような思考が形成されたことは当然であり、何ら過ちもないのです。

 

したがって親は子供の思考を尊重してあげなければなりません。子供を非難したり、それは違う、間違っていると話すのではなく、子供の考えを認めた上で、親の経験と記憶を話してあげ、子供には「あなたの考えも間違ってはいないけど、○○の考え方もある」ということを伝えるべきです。そして最終選択は子供に任せ、子供が親の保護のもとで試行錯誤をしながら、健全な基準をつくっていけるようにサポートをするのが親の役割です。

 

健全な思考基準は子供がこれから先、成人になって自分の人生を生きていくときの財産になります。子供には財産やお金を残してあげるより、自分で幸福を追及しながら健全な自己実現ができる能力をつけてあげることのほうが重要なのです。ご参考ください。