透析患者さんの検査値の見方⑥:透析効率 | 腎臓内科医のつぶやき

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気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

いよいよこのシリーズの最終回です!!


ヒヨコ今日は透析効率についてヒヨコ


主治医から毎回検査結果の説明を聞いていると思いますが、透析効率はあまり耳にしないかもしれません。
透析効率は一般的に Kt/V というもので判断します。
毒素がきちんと除去できているか、今の透析のやり方で十分か判断する指標です。
『総体積量を何回透析できたのか』 を表します。



うさぎ標準化透析量(Kt/V)の算出方法うさぎ

ダイアライザーの尿素クリアランス × (1回の透析時間/患者さんの総体液量)

透析患者さんの目安は 1.2以上 とされています。

この値が大きいほど透析効率が良いとされています。
透析不足の場合や、体格が大きい場合低く出ます。

透析不足というのは、今の透析のやり方では十分毒素がとれていないと判断される状態のことで、血流量・透析液流量・ダイアライザーの膜面積・透析時間などを調節することで、効率を上げることができます。


日々のデータに加え、こういうのも見ながら透析条件を調節していきます。
今は沢山の種類のダイアライザーがあるので、患者さんの体調に合わせて変更することが可能になりました。
気になることがあれば、ぜひ、主治医に聞いてみてくださいねキラキラ
きっと心配事が減りますよ爆  笑