いきなりですが、先日お話しした「健康寿命」。覚えていますか
今日も少し似ています。
サルコペニアって知っていますか
サルコペニアとは、加齢や病気による骨格筋量(体を支える大きな筋肉たちのこと)の低下や筋力低下を特徴とする病気たちを指します。
日本で、このサルコペニアの患者さんは、男女ともに130万人以上と推定されています。
特に血液透析患者さんでは多いと考えられており
浜松医科医科大学付属病院血液浄化療法部病院教授加藤明彦先生たちの報告では、
糖尿病がない血液透析患者さんでは:男性77.3%、女性84.4%
糖尿病がある方では :男性90%、 女性100%だそうです多いですね
では
サルコペニアだとどうして悪いんでしょうか
サルコペニアの人、つまり筋肉量がへったり筋力が落ち着いてる人は長生きしにくいという結果がでているからなんです
また、筋肉量と握力(文字通り、にぎる力です)で、生命予後(長生きできるか)を比較すると
握力が低下すると予後が悪化するという報告もあります。
にぎにぎ力大切ですね
群馬県中之条町で行われた疫学調査では
サルコペニアを予防するために1日7500歩の歩行が必要とされています
健康人は1日に約8700歩歩いているそうです。
みなさんはどうですか
筋肉をつけるには、適度は運動は必須ですが、筋肉のもとを補ってあげる必要があります。
つまりたんぱく質。
たんぱく質摂取量が不足していると、運動しても筋肉はつきにくいです。
腎臓病をお持ちだと、たんぱく摂取量を減らしている方が多いでしょうか
この腎臓病だからタンパク質を多く食べてはいけないというのは、しっかりした根拠があるわけではないのですが、だめという根拠もないため、当院でも摂りすぎはお勧めしていません。
ただ、高齢の方ではたんぱく制限するよりしっかり食事をとって体力をつけることが、上にお話ししたように長生きの秘訣であるため、塩分を減らす程度の指導しかしない場合もあります。
主治医の先生とよく相談して、ご自身・ご家族の食事療法を行ってくださいね
それと、血液透析を行っている方は
1日の歩数が圧倒的に少ないようです
透析がない日で約5600歩、透析日は3900歩が平均のようです。
車社会の群馬だと、もっと少なそうですが・・・
血液透析に限らずお仕事でデスクワークが多い方なども
たまには、歩数を意識してみてください
今日は第61回 日本透析医学会学術集会・総会 イブニングセミナーで加藤先生がお話しくださったことをご紹介しました。
加藤先生、ありがとうございます