薬剤師より | 腎臓内科医のつぶやき

腎臓内科医のつぶやき

気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

みなさん、こんにちは。
今回は薬剤部から血圧についてお話します。
 
10月に入り、日中は過ごしやすいですが、朝晩は空気が澄んで寒いと感じる日も出てきましたね。
これからの季節、ますます気温が下がることで、みなさんに注意していただきたいことは血圧の管理です。
 
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人の体では、寒さを感じたり冷たい水に触ったりすると、血管は収縮し血圧が上がります。正常血圧の方はそれほど影響ありませんが、高血圧の方は大変上がりやすくなりますので注意が必要です。急に血圧が上がると脳卒中や心筋梗塞の危険性が高まります。
 
また、腎臓病では高血圧が腎臓病の進行を早めたり、逆に、腎臓病が高血圧の原因になったり、互いに悪循環の関係にあるのです。
ですから、腎臓の負担を軽くするためにも、血圧を正常に保つことが大切です。
 
日常生活では、ウォーキングなどの適度な運動と、塩分を控えたりアルコールはほどほどにしたり食生活の改善に気を付け、ストレスをためない生活を送りましょう。
 
血圧の薬を服用中の方は、自覚症状がなくとも必ず指示通りに服用してください。自己判断で薬を中止したり、増量したりすると予想外に血圧が上がってしまったり、逆に下がりすぎてしまって、ふらつき・転倒のおそれがあります。
 
 
 
高血圧の治療の目的は血圧を下げることはもちろん、その先にある腎臓病の進行を抑えることや合併症を防ぐことにあります。日常生活の改善を心がけ、高血圧の予防に努めながらこれからの寒い季節を乗り切りましょう。
 
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