高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインが変わりました | 腎臓内科医のつぶやき

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気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

つい先日、高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインが刷新され、第3版が発売されました。

 

 

今回は、診療の現場で意見がわかれたり、判断に迷ったりしやすいものをクリニカルクエスチョンとして出し、そこに論文などで出されている証拠を元に推奨文が新たに付けられました。

 

 

他には、

以前は、高尿酸血症は大きく分けて3種類の原因とされてきましたが、

今回は

①尿酸排泄低下型

②腎負荷型

③混合型

にかわりましたよ。

 

それと、ここ数年で新規発売となったトピロキスタットが追記されました。

今まで尿酸生成抑制薬は、アロプリノールとフェブキソスタットだけが記載されていましたよ。

 

 

 

 

 

新たに記載されたクリニカルクエスチョンをご紹介します。

 

ピンク薔薇CQ1:急性痛風関節炎(痛風発作)を起こしている患者において、NSAIDS・グルココルチコイド・コルヒチンは非投薬に比して推奨できるか?

 

推奨は:急性痛風関節炎(痛風発作)を起こしている患者において、NSAIDS・グルココルチコイド・コルヒチン(低用量)は、非投薬に比して条件付きで推奨する。

 

 

 

ピンク薔薇CQ2:腎障害を有する高尿酸血症の患者に対して、尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?

 

推奨は:腎障害を有する高尿酸血症の患者に対して、腎機能低下を抑制する目的に尿酸降下薬を用いることを条件付きで推奨する。

 

 

 

ピンク薔薇CQ3:高尿酸血症合併高血圧患者に対して、尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?

 

推奨は:高尿酸血症合併高血圧患者に対して、生命予後ならびに心血管病発症リスクの軽減を目的として尿酸降下薬の使用は積極的には推奨できない。

 

 

 

ピンク薔薇CQ4:痛風結節を有する患者に対して、薬物治療により血清尿酸値を6.0mg/dl以下にすることは推奨できるか?

 

推奨は:痛風結節を有する患者に対して、薬物治療により血清尿酸値を6.0mg/dl以下にすることは推奨できる。

 

 

 

 

ピンク薔薇CQ5:高尿酸血症合併心不全患者に対して、尿酸低下薬は非投薬に比して推奨できるか?

 

推奨は:高尿酸血症合併心不全患者に対して、生命予後改善を目的とした尿酸低下薬の投与は、積極的には推奨できない。

 

 

 

 

ピンク薔薇CQ6:尿酸低下薬投与開始後の痛風患者に対して、痛風発作予防のためのコルヒチン長期投与は短期投与に比して推奨できるか?

 

推奨は:尿酸低下薬投与開始後の痛風患者に対して、痛風発作予防のためのコルヒチン長期投与は条件付きで推奨できる。

 

 

 

 

ピンク薔薇CQ7:無症候性高尿酸血症の患者に対して、食事指導は食事指導をしない場合に比して推奨できるか?

 

推奨は:無症候性高尿酸血症の患者に対して、食事指導は食事指導をしない場合に比して推奨できる。

 

 

 

でした。

 

よく出てくる『条件付き』とは、臨床現場における条件を意味しています。


‘’患者さんの病態・合併症のみならず、価値観ならびに希望などの患者さん側の条件に加えて、現時点での新しいエビデンスを含めた医療側の条件や医療経済的な条件を含める‘’

 

ということでした。




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日々医療は進歩しています。

私たちの体を健康に近づける薬は、毎日研究している人達の努力で生み出されています。


食事療法や薬物療法を含めた治療も同じです。

新しい発見が立証されれば、指導内容もかわります。


昨日までの指導内容と違う!!


と不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、より良い治療がわかったんだと少しずつ受け入れていただけると嬉しいです。





今日は新しいガイドラインのお話しでした爆笑






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