今日は初めて”リン”の少ない食事を選んでみましょう
腎機能障害が進行すると、尿がうまく作れなくなります。
初期は、尿は出ていても、十分毒素を排出できなくなってきます。
悪化すると水分も出し切れなくなるので、むくみがでてきます。
あまりに腎機能が低下したら、生きていくために、透析療法や移植療法を行い毒素と余分な水分を体外に出す治療が必要となります。
透析療法(腹膜透析・血液透析)では、血液中のリンの上昇が、その後の元気に生活できる期間を決めるといっても過言ではないため、リンを上手に制限する食事がとても重要になります
そんなわけで、今回はリンのクイズにしてみましたよ~
リンは、すべての細胞に含まれています。
なので
食べ物ほぼ全部に入っていますが、特に、肉・大豆製品・乳製品などの蛋白質や、食品添加物に多く含まれています。
どうせなら、
お菓子(要注意)や販売している加工食品でとるよりは、
しっかり蛋白質を食べていただきたいところです
ではまいりましょう。
どちらのメニューがリンが少ないでしょうか
A肉豆腐
B肉じゃが
肉つながりです
肉はそれぞれ豚ロース薄切り80gで統一します。
材料です。
二人分です。
A肉豆腐
豚ロース薄切り 80g
木綿豆腐 300g
玉ねぎ 200g
ごぼう 40g
青ネギ 少々
かつおだし汁 120cc
醤油 20cc
料理酒 20cc
みりん 10cc
砂糖 6g
B肉じゃが
豚ロース薄切り 80g
じゃがいも 200g
玉ねぎ 80g
人参 60g
しらたき 200g
青ネギ 少々
サラダ油 4g
だし汁 200cc
醤油 20cc
料理酒 20cc
みりん 10cc
砂糖 6g
醤油~砂糖は共通です。
続いて栄養価の比較をみてみましょう
一人分です。
A肉豆腐
エネルギー 307kcal
蛋白質 20g
脂質 14.1g
炭水化物 21.3g
ナトリウム 633mg
カリウム 632mg
リン 308mg
食物繊維 3.4g
塩分 1.6g
B肉豆腐
エネルギー 267kcal
蛋白質 11.2g
脂質 9.9g
炭水化物 34g
ナトリウム 641mg
カリウム 796mg
リン 173mg
食物繊維 5.6g
塩分 1.6g
リンは135㎎も差がありました。
豆腐の量が影響しています。
今回の料理は両方とも(の作り方をみてください)
豚肉を食べやすいと大きさに切る
だし汁でにて灰汁をとる
しか、していませんが、肉を薄く切ってしゃぶしゃぶするように湯に通すと、リンは減りますので、いきなり煮汁に入れるより手間をかけるとよりリンを減らし美味しく栄養を取れますよ
ぜひやってみてください
砂糖~醤油は同じなので、塩分は一緒ですね。
作り方です。
肉豆腐
①木綿豆腐は4つに切り、かるく水気を切っておく
②豚肉は食べやすい大きさに切る
③玉ねぎはくし型、ごぼうは薄切りまたはささがきにする
④鍋にだし汁と豚肉。ごぼうを入れひと煮する(灰汁がでたらとる)
⑤玉ねぎと調味料を加え、さらにひと煮立ちさせたら、豆腐を加えて味がしみる程度煮込む
⑥器に盛りつけ、刻んだ青ネギを散らす
肉じゃが
①じゃがいも、人参も乱切りにする
②玉ねぎはくし型に切る
③豚肉は食べやすい大きさに切る
④しらたきは水気を切り、食べやすい長さに切る
⑤鍋にサラダ油を熱し、豚肉とじゃがいも、人参、玉ねぎを炒め、だし汁を加えて煮る
⑥じゃがいもが少し柔らかくなったら調味料としらたきを加え、落しぶたをして煮込む
⑦器に盛り付け、刻んだ青ネギを散らす
食べ方のポイント
冬の定番メニューの煮物は、塩分が多くなります。
煮汁を残すことで減塩できますので、なるべく飲まない様に心がけるといいですよ
リンは、私たちに欠かすことの出来ない栄養素です。
カルシウムやマグネシウムと結合して丈夫な骨や歯を作る役割をしています。
糖質や蛋白質、脂質の代謝を促す役割もしているんですよ。
悪者ではなく、とても大切な存在です。
ただ、増えすぎはよくないよっていうお話です。
動物性の食品の方がリンが多いから一切食べない
っていう強者がいますが、動物性の蛋白質のほうがアミノ酸スコアが良く、体の中でより効率よく栄養に変換されたりするんですよ。
動物性も植物性も上手においしく食べていただきたいです
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