いすゞ風土改革-キーマン「北村氏」のリーダーシップ | 『人を大切にする人財育成・教育研修』 - 福岡ジンザイブログ

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昨日(6/12)、神戸大学で行われた-金井壽宏教授コーディネーターの「ワークショップ」に参加しました。テーマは、「組織変革、組織開発、意識改革」。


「いすゞ」の組織変革を題材にした内容でした。


パネラーは、スコラ 柴田昌治氏、いすゞの元能力開発部長北村三郎氏(組織変革のキーマン)、同元社長稲生武氏、そして、コーディネータの金井壽宏氏。








(写真:前回参加時<3月末>の神戸大)


以下、概要及びコメント。


柴田氏曰く、組織変革とは、『コミュニケーションを良くし組織を進化させ価値観を共有していくことで事実に基づく経営を実現すること』。


組織変革には、自主性・自律性を組織する「コア・ネットワーク」が必要。つまり、「会社をよくしよう!」というだけでつながり協力体制が組める関係-お互いに思いを伝え合い、厳しく向き合える。


また、『変革には、リーダーのスポンサーシップとリーダーをフォローする世話人(参謀)が必要である』と。


注)スポンサーシップとはわかり易く言うと、組織のメンバーが自分の周りにある問題を自らのイニシアティブで周りを巻き込みながら解決していきやすい環境を整備していくリーダーシップという意味。そういう意味ではスポンサーシップというのはリーダーシップの一種。


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当時のいすゞはトップがスポンサーシップを発揮し、参謀役を北村氏が担った。

しかし、話を聞いているとキーマン、リーダーは「北村三郎氏」である。

彼は、いすゞをよくしようという強い思いに駆られ、トップにも進言しそして巻き込みいすゞの風土改革に邁進した。また、それをトップが良く受け入れた。


「出る杭は打たれる」の言葉通り、北村氏も何度か左遷や首切りの危機にあったようだ。

しかし、北村氏曰く『出すぎた杭は抜かれないー徹底的に出よう!』と思って行動したそうである。正に、大義に基づく強い信念に沿った身を捨てた行動である。


自分のサラリーマン時代を思い返しながら聞いていました。

私は、超ワンマンのトップがいた会社に勤務し、北村氏の様な行動をとることもなく終わりました。勇気や信念が足りなかったのでしょう。「変えられない」というマイナス意識が支配していた様に思います。



また、風土改革当時、研究開発部門の責任者(部長→取締役→専務→3人目の社長)だった稲生氏の言葉。

・『人が動くには、指示命令で80点。自分で決めて自分でやれば120点の成果が出る』。


・『プロジェクトの当初、メンバーを信頼していなかった。リーダーは部下の鏡-メンバーも自分を信頼していなかった』。


・『組織の生産性と社員一人ひとりの満足感、やりがいとは両立する』ということを実感した。


・『本気で会社を立て直そうとする人が20%出てきたら立て直せる』。


・『専務として開発の責任者だった頃、部長・課長の仕事をしていた。そのため、いつも部下の仕事を奪っていた。途中、そのことに気づいて、マネジメントを変化させると部下達からすばらしい商品企画が出てきた。結果、半年間独占状態が続き、大きな利益を獲得できた』。

『それぞれの本分をきちんと実行することが大事である』。


北村氏の言葉。

・『リーダーシップには《人間性》が大事。自分のためにやるのではなく、会社・世の中のためにやるという意識が重要。結果、正しいことを実行していれば、誰かが見てくれていて、誰かが助けてくれる。』


・『P-D-C-Aサイクル。See-Think-Plan-Doが重要。つまり、まず、事実を見て問題を共有し、原因・対策を皆で考え、計画し実行するというステップ。事実は《神様》である』。自分で考える人になってほしい。


これを機会に柴田昌治氏の著著も事前に読むことができ、当日のより深い理解につながり、また、仕事へ応用できることが多くあった。