※筆者はエージェントベストの関係者です(PR)。

入社2年目で「この仕事は合わない」と感じたら、その感覚をすぐに打ち消す必要も、すぐに転職に結びつける必要もありません。2年目の「合わない」は、1年目の「慣れない」とは性質が違います。仕事の流れがひととおり分かったからこそ見えてきたものなので、無視せずに正体を確かめる価値があります。そのうえで、今の会社で動ける余地があるのか、外に出るほうがよいのかを判断していきます。この記事では、人材紹介の仕事をしている立場から、2年目特有の「合わない」の見分け方と、そこからの動き方をお話しします。

2年目の「合わない」は1年目と何が違うか

1年目は、仕事そのものが分からない状態なので、つらさの多くは「できないこと」から来ます。これは慣れや経験で軽くなることが多いものです。

2年目になると、ひととおりの業務を自分で回せるようになり、後輩が入ってくることもあります。すると、「できるようになったのに、やっていて面白くない」「この先の先輩の姿を見ても、なりたいと思えない」「自分が力を入れたい方向と、会社が求めるものがずれている」といった、できる・できないとは別の種類の違和感が出てきます。これが2年目の「合わない」の正体で、慣れでは解消しにくいぶん、きちんと向き合う必要があります。

ただし、2年目は任される範囲が広がって負荷が上がる時期でもあります。単に疲れているだけなのか、方向のずれなのかは、まず切り分けてみてください。

「合わない」の正体を3つに分けてみる

私がよく勧めているのは、「合わない」の中身を次の3つに分ける整理です。

  1. 仕事の中身が合わない:扱っている商材やテーマ、作業の種類そのものに関心が持てない。得意なことと求められることが違う。
  2. 職場のやり方が合わない:仕事の内容は嫌いではないが、進め方、評価のされ方、人との距離感、スピード感がしっくりこない。
  3. 自分の期待とずれている:入社前に描いていた成長の速さや任される範囲と、現実の差が大きい。

この3つは、取れる手段が違います。1つ目は、職種や事業領域を変えないと解消しにくいもので、社内の異動か転職が選択肢になります。2つ目は、部署やチームが変われば解消することがあり、社内で動ける余地が残っています。3つ目は、期待のほうが現実的でなかった場合もあれば、会社の仕組みの問題である場合もあるので、先輩や上司に「3年目、5年目の人は何をしているか」を聞いて、期待の置き場所を確かめることから始めます。

頭の中で考えるだけだと、全部がまざって「とにかく合わない」になりがちです。一度、紙に3つの欄を作って、思いつく不満を振り分けてみてください。どの欄が重いかで、次の動きが決まります。

2年目だからこそ、今の場所で集められるもの

「合わない」と分かったとしても、すぐに辞めなければいけないわけではありません。2年目は、1年目には作れなかった「自分の実績」を作れる時期です。転職するにしても残るにしても、次の判断材料を今のうちに集めておくと、動きやすくなります。

  • 数字や結果で語れる仕事をひとつ持つ:担当した案件、改善した業務、任された役割など、「自分がやった」と言える単位で振り返っておきます。
  • 合わない中で、何なら苦にならないかを観察する:合わない仕事の中にも、比較的やりやすい作業や、自然と手が動く場面があるはずです。それが、次に選ぶ仕事のヒントになります。
  • 社内の別の仕事を見ておく:他部署の人と話す機会があれば、どんな仕事をしているかを聞いておきます。異動の可能性を探る意味でも、外に出たときの比較軸を持つ意味でも役に立ちます。

転職市場では、入社2〜3年目の方は若手として見てもらえることが一般的ですが、短い期間での離職をどう受け止めるかは企業によって差があります。「合わないから辞めた」だけでなく、「合わない中でも何をやり、何が分かったか」を話せるかどうかで、選考での印象は変わります。

コンサル・M&A・スタートアップに関心がある場合

「今の仕事が合わない」と感じた若手の方が、次の行き先としてコンサルティングファームやM&Aに関わる仕事、スタートアップを考えることは少なくありません。裁量の大きさや成長の速さに魅力を感じるのは自然なことです。

ただ、気をつけてほしいのは、志望理由が「今が合わないから」だけになっていないかという点です。これらの環境は、任される範囲が広い反面、仕事の密度や求められる水準も高くなりやすいです。先ほどの3つの分け方で言えば、「職場のやり方が合わない」が中心で、特にスピードや裁量の物足りなさが理由なら相性がよいことがあります。一方で、「仕事の中身が合わない」が中心なのに環境だけ変えても、同じ違和感を抱えたまま負荷だけが上がることもあります。

こうした分野の選考では、「なぜこの仕事か」と「前職で何をしたか」を結びつけて話すことを求められやすいです。2年目のうちに、小さくても自分で考えて動いた仕事を一つ作り、それを材料に志望理由を組み立てるのが、現実的な準備の仕方です。

一人で抱えず、順番に相談する

「合わない」を自分の中だけで考え続けると、どんどん視野が狭くなります。相談の順番としては、まず社内で信頼できる先輩や上司に「この先、どんな仕事が回ってくるのか」を聞き、社内で動ける余地を確かめます。異動の制度があれば、その条件も確認しておきます。

それでも方向が違うと感じたら、社外の人に話してみてください。友人でも、人材紹介の担当者でも構いません。自分の会社しか知らない状態では見えなかった「ほかの会社ではこうなっている」という比較が入るだけで、合わない理由がはっきりすることがあります。なお、眠れない、食欲がないといった状態が続いているなら、相談よりも先に医療機関を頼ってください。

まとめ

入社2年目の「合わない」は、仕事が分かってきたからこそ見えてきた違和感で、慣れでは解消しにくいものです。中身を「仕事の内容」「職場のやり方」「自分の期待とのずれ」の3つに分けると、社内で動けるのか、外に出るべきなのかが見えてきます。2年目は自分の実績を作れる時期でもあるので、判断材料を集めながら、社内から社外へと順番に相談していくのが進め方の基本です。コンサルやM&A、スタートアップに関心があるなら、志望理由が「今が合わない」だけにならないよう、前向きな材料を今のうちに作っておきましょう。

自分の「合わない」がどの種類なのか、誰かと一緒に整理してみたい方は、エージェントベストの相談ページをのぞいてみてください。