「医学部受験は情報戦」
ネットに自由にアクセスできる環境にあって、このフレーズを目にしたことのない医学部受験生はいないでしょう。
この「情報戦」のなかにはフェイク情報を流すなどの「謀略活動」は含まれておらず、あくまで「受験情報収集」を指しているとは思うのですが、それにしても医学部合格のために、そこまで卓越した情報収集能力が必要なのでしょうか。
私たちが受験校に対して、必ず手にするべき情報は、
1. 試験日程、受験科目等を知るための「今年度の募集要項」
2. これまでの傾向を把握し対策するための「過去問」
の二つだけだと思います。
それでは受験校決定に「情報収集能力」が必要でしょうか?
受験集団における自分の学力の相対的な評価は受験校決定の助けになります。
しかし、言うまでもなく模試を受けることで、ほぼ自動的に得られる情報です。
そしてこれは、医学部に限った話ではありません。
医学部に特有の傾向として、地方医大や私大の受験倍率が年によって大きく変動するというものがあります。これは、企業の株価みたいなもので、後付けの説明として集団心理の分析がまことしやかに行われますが、予想は全くあてになりません。現実には最終倍率を把握してから出願することは不可能です。
結局のところ「医学部受験は情報戦」の後ろには、「だから俺に聞け」と続いているのだと思います。予備校HPなら「集客」のためですし、個人ブログなら「承認欲求」のためなのでしょう。
ところで、ある私大医学部が支援対象校選定の見返りに、文部科学省幹部の子息を不正入学させるという収賄事件がありました。前代未聞の文部科学省スキャンダルに発展するかと思ったのですが、気づけば「医学部受験における女性・多浪生の差別問題」に話がすり替わっていました。
「女性」「多浪生」が医学部受験に不利であろうことは、医学部受験生には常識です。叩けば埃が出るであろう受験システムを、誰かが意図的に叩いたとしか思えないようなタイミングでした。批判を受ける側だった文部科学省が、一転して大学に対して批判する側に回ったのです。
そもそも、大学(特に私立)には独自の基準で入学生を選別する裁量権があるはずで、これまで文部科学省も黙認していました。文部科学省幹部の立場を利用した収賄の方が、はるかに悪質だと思うのですが世間的には有耶無耶になってしまいました。
まさに、これこそが文部科学省の仕組んだ「情報戦」だと思います。