S.S.S. #Can't Get Enough_1 | GIN@V6〜since20xx〜

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You've got the best choice!!

 


「お前…ふざけんなよ」

長野を睨み付ける


 

「ふざけてないよ」

負けずに長野も睨み返してくる


 

「剛、生きてんだろーが」

お前…名医だろ?何とかしろよ



「ああ…だから……何か言ってやれよ」


名医だから…分かってしまう?

この先、剛に何が待ってるのか…


 


「何かって…何て言やいいんだよ」


「ふざけてる暇無いって言ってるだろ」


いつも穏やかな口調の長野が、少し声を荒げる



「自分に嘘付くの、もう止めろよ。ちゃんと剛に本当の事…自分の気持ち言ってやれよ…最後なんだぞ」


 


はだけた剛の服を少し整えて



「俺は…向こう行ってるから」


立ち上がって俺の肩をポンとひとつ叩いて

長野が事務所から出て行った


 


パ…タン


静かな音を立ててドアが閉まる


 



「剛…」


床から抱き起こして、そっと頬を撫でた



まだ…こんなに温かいじゃねーか


なぁ…嘘だろ?寝てるだけだろ?

とっとと起きて「腹減った」って言えよ


お前の好きなもん、何だって作ってやるから…




「剛…」 

抱き締めて、乾いた唇にそっと口づける



ん?僅かに唇が…動いた?


「剛?おい、分かるか?」

頼む…目ぇ覚ましてくれ




「…さ…かもと…くん…」



瞼がゆっくり開いて、少し掠れたキャラメルボイスが俺を呼んだ



気が付いた…よかった…


俺、お前に言わなきゃいけない事あるから…

俺の声、届いてるよな



「…何で…いんの?」


何で…って


「あんまり遅いから迎えに来てやった。家帰ろう」

俺達の家に、一緒に


 


「うっ…」


剛の体が、腕の中でビクッと跳ねる


少し顔色が蒼ざめてきたか…まぁ無理もねぇ

床を染める赤を見る


 

痛いのか?苦しいのか?

いっそ早く楽にしてやった方が剛の為……



いや、ダメだ

お前を逝かせたくなんか…ない…


力を込めて、ギュッと抱きしめた


あんまり力入れたら痛ぇかな…

でも…これで最後になるんなら


思いっきり抱きしめさせてくれ


 


「…何だよ…また…業務命令でも……出たのかよ」


業務命令…か……フッ…


「んなもん出てねーよ」



「じゃ、何だよ……あ、そうか。からかってんのか?ちょろいガキだとか思って」



「…そんなんじゃねぇ。ちょっと黙っとけ」


減らず口が叩けないよう、口を塞いでやった

そんな喋んなよ。体力消耗しちゃうだろ


 


首を横に振って剛が逃げる


「じゃ、何なんだよ。ふざけんなよ…」


何だって聞かれても…

俺のボキャブラリーじゃ、これしか出てこねぇ



「ふざけてねぇよ……剛…愛してる…」



重ねようとした唇が、首を振って躱される

それでも追いかけて


「愛してる…剛。もう、絶対離さねぇ」


捕まえて

また逃げられて、追いかけて



「やめて…くれよ…」



剛の声が震えてる


何でお前が泣いてんだ


俺は…何でお前を泣かせてるんだ



「信じて裏切られんのなんか…もう…たくさんだ」



裏切る?


フッ……そっか。そうだった

自業自得、だな



でも、今しかお前に伝えられないなら


俺は信じてもらえるまで、言い続けて

伝えなきゃいけない



「愛してる…ずっと。…俺の側にいろ」


抱きしめる腕に力を込める


俺が裏切ったと思ったまま

お前を逝かせる訳にはいかねんだよ



「国を背負って立つ男が、こんな男にうつつ抜かしてちゃダメだとか、オッサンの見張り、長野1人に押し付ける訳にいかねぇとか…自分に言い訳して


結局、俺にはお前を守りきる自信、無くって…


前との事は仕事だったって嘘ついて…


お前が無事ならそれで良いと思った

俺と別れて国に帰ったとしても、それが一番安全ならそれでいいって…」



腕の力を緩めて少し身体を離した


腕の中の剛を真っ直ぐ見下ろす



「この気持ちは嘘じゃねぇ。剛、愛してる…」



俺のシャツを掴んだ剛が、胸に顔を埋める



「バカヤロ…嘘なんか…ついてんじゃねぇ…俺…マジで……バカヤロ…」



「悪かった…謝る…だから、機嫌なおしてくれよ」




濡れた頬をそっと拭って


深く口づけた


 


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