ジャック・オー・ランタン #1 | GIN@V6〜since20xx〜

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You've got the best choice!!

 
 

ヨーロッパの端、アイルランドの少し東に浮かぶ『ジャニーズランド』という、それはそれは小さな島国に伝わるお話。

 
 
その昔、昌行という名前の男が住んでおりました。
 
昌行はお酒が大好きで、夜はいつも町外れのバーで飲んだくれ。長い手足に鋭い視線。周りの人々からはジャックナイフ・マサと恐れられていました。
 
 
ある年の、ハロウィンの夜の事でした。
 
いつもと同じ帰り道。いつもと同じ町外れのバーで、その日も1人でビールを飲んでいました。
 
 
そんな昌行をバーの入口からジッと見つめる、妖しくも美しい二つの影がありました。
 
この二人、実は地獄からやってきた悪魔と小悪魔。
 
ハロウィンの夜は、この世とあの世の境がなくなる日。この時を狙って悪魔たちが人間の魂を奪いにやってくるのです。 
 
 
 
「ねー、剛…ホントにあの人?」
 
「あ?だって井ノ原くんの描いた絵に似てんじゃん。ほれ」
 
「えー…これと同じ人には見えないよ」
 
「いや、多分このオッサンだよ。この髭、この手足。うん、間違いねぇ」
 
 
どうしても納得いかない健をよそに、剛は昌行をターゲットに決めました。
 
「いんだよ、誰だって。ちゃちゃっと魂取って、早く地獄戻ろーぜ。」
 
歩きながら健の頭を引き寄せて、触れるだけのキスを交わします。
 
「俺ら、帰ってヤることあんだろ?」
 
耳元で甘〜く囁くと
 
「ふふ……そーだね」
 
健は嬉しそうに笑って、腕を組んで剛の肩にもたれかかりました 。
 
 
 
「なぁ、オッサン。魂くれよ」
 
昌行の横に立った剛が、テーブルの上に腰掛けて単刀直入に言いました。
 
「ねぇ?痛くもなんともないから。いいでしょ?」
 
小悪魔の健は、昌行の膝に座って肩に手を回し、小首を傾げて顔を覗き込みます。
 
 
もうすっかり酔いの回っている昌行は、二人が何を言っているのかさっぱり理解できませんでした。
 
これはきっと、会社の若い連中が仮装をして、また自分をからかっているのだと勝手に解釈して
 
 
「おい、お前ら。ココ座れ」
 
二人を向かい側の椅子に座らせて、こんこんとお説教を始めました。
 
 
 
「健…なんか…面倒くさくねぇ?」
 
「うん…そうだね。あーあ、早く帰ってシャワーしたいのに」
 
 
二人が顔を寄せ合って、ヒソヒソ話していると
 
「おいっ、お前らちゃんと人の話聞けよ」
 
ますます話が長くなりそうな雰囲気。
 
 
 
「あー…喉乾いたな。コーラ飲も。お前は?」
 
「俺はねぇ…トロピカルジュース」
 
「あ、やっぱ俺もそれにしよ」
 
 
ボーイさんを呼んで注文し、二人が飲み終わるまでの間も、相変わらず昌行のお説教は続きます。
 
 
 
「オッサン、俺…便所行ってくるわ」
「じゃあ俺もー」
 
2人同時に席を立って
 
「なぁ健。もう帰ろーぜ。」
「でも手ぶらじゃ帰れないじゃん。」
 
考えても拉致があかず、かと言ってこのままお説教を聞いている気にもなれません。
 
二人は、井ノ原くんに叱られるのを承知で、帰ることにしました。
 
 
「オッサン、じゃーな」
「またね」
 
昌行の背中にそう語りかけて、二人はこっそりバーの出入口に向かいました。
 
話を聞いてもらった昌行は上機嫌。
「もう少し飲もうかな」なんて考えながら、鼻歌を歌って二人を待っていました。
 
 
一方、「お客様、会計は…」出口で呼び止められた二人はお財布など持っていません。なんてったって地獄から来た悪魔と小悪魔ですから。
 
 

「あれ?アイツら何やってんだ?出入り口の近くじゃ通行の邪魔になるだろうが」

 

トラブっている二人を見つけて、昌行が入口近くまでやってきました。

 

(あ、やっべぇ。見つかった)

 

逃げようとした時にはもう遅く、剛と健は昌行に掴まってしまいました。

 

二人は井ノ原組で培った演技力を活かし、小芝居を始めます。

 

 

「あれ?おっかしーな。財布忘れてきちゃったよ」

 

「え?俺も置いてきちゃったよ。剛持ってきたんじゃないのかよ」

 

そういって、困った顔で自分を見る二人を、昌行は放おっておけませんでした。

 

「しょうがねぇな」

 

お尻のポケットからお財布を取り出し、中からお金を出そうとして、健に財布ごと取り上げられました。

 

 

「ありがとう。お礼に、魂は10年間取らないでいてあ・げ・る。ね?剛」

 

取り上げた財布を剛に渡します。

 

「あ?あぁ…」

 

(別に…取りに来なくていんじゃね?コイツ、割といい人みてーだし)

 

そう思いながらも財布を受け取って、レジに向かいました。

 

 

健は昌行の首に腕を回して耳元で囁きます。

 

「10年経ったら魂貰いに来るから、それまでお利口にしてて」

 

昌行に深く口づけて、小悪魔の契約を交わしました。

 

「あ…はい」昌行はすっかり小悪魔にメロメロ

 

 

支払いを終えて戻ってきた剛が

 

「お前な…ンなもん…軽くチュッてやっときゃいーんだよ」

 

眉間にしわを寄せながら


「オレ怒らせたいの?」


健の腰を引き寄せます。

 

 

「ふふっ、怒った?じゃーあ…帰ったら…」

 

「……お仕置きだな」

 

 

 

店のドアが閉まる瞬間、剛の背中から大きな黒い翼が見えたような気がして


「ひゃぁっ」

思わず手ブラになった昌行でしたが

 

「ア、アイツらの仮装すげぇな…」

その後は気にもとめませんでした。




 


 

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こんにちは〜!ニコニコ
 
久々に熱出しちゃった( ^ω^ )←鬼のかくらん
 
コメ返等、遅くてごめんなさい(。・ω・。)
この2日間はマジで何もできんかった…
 
 
今日はね
祭日なのに、会社休みじゃないのキョロキョロ
ちなみに今はお昼休みです
 
月初めでクソ忙しいのに、そんな休んでもいられないからね
顔が土色してるって娘に言われたけど...口笛
今のところ無事です


記事は書けてないので、取り敢えずハロウィンに間に合わなかったヤツをあげときます照れ
 

まだ最後まで書き終えてないけど…
ま、いっか (ノ≧ڡ≦)