ヨーロッパの端、アイルランドの少し東に浮かぶ『ジャニーズランド』という、それはそれは小さな島国に伝わるお話。
その昔、昌行という名前の男が住んでおりました。
昌行はお酒が大好きで、夜はいつも町外れのバーで飲んだくれ。長い手足に鋭い視線。周りの人々からはジャックナイフ・マサと恐れられていました。
ある年の、ハロウィンの夜の事でした。
いつもと同じ帰り道。いつもと同じ町外れのバーで、その日も1人でビールを飲んでいました。
そんな昌行をバーの入口からジッと見つめる、妖しくも美しい二つの影がありました。
この二人、実は地獄からやってきた悪魔と小悪魔。
ハロウィンの夜は、この世とあの世の境がなくなる日。この時を狙って悪魔たちが人間の魂を奪いにやってくるのです。
「ねー、剛…ホントにあの人?」
「あ?だって井ノ原くんの描いた絵に似てんじゃん。ほれ」
「えー…これと同じ人には見えないよ」
「いや、多分このオッサンだよ。この髭、この手足。うん、間違いねぇ」
どうしても納得いかない健をよそに、剛は昌行をターゲットに決めました。
「いんだよ、誰だって。ちゃちゃっと魂取って、早く地獄戻ろーぜ。」
歩きながら健の頭を引き寄せて、触れるだけのキスを交わします。
「俺ら、帰ってヤることあんだろ?」
耳元で甘〜く囁くと
「ふふ……そーだね」
健は嬉しそうに笑って、腕を組んで剛の肩にもたれかかりました 。
「なぁ、オッサン。魂くれよ」
昌行の横に立った剛が、テーブルの上に腰掛けて単刀直入に言いました。
「ねぇ?痛くもなんともないから。いいでしょ?」
小悪魔の健は、昌行の膝に座って肩に手を回し、小首を傾げて顔を覗き込みます。
もうすっかり酔いの回っている昌行は、二人が何を言っているのかさっぱり理解できませんでした。
これはきっと、会社の若い連中が仮装をして、また自分をからかっているのだと勝手に解釈して
「おい、お前ら。ココ座れ」
二人を向かい側の椅子に座らせて、こんこんとお説教を始めました。
「健…なんか…面倒くさくねぇ?」
「うん…そうだね。あーあ、早く帰ってシャワーしたいのに」
二人が顔を寄せ合って、ヒソヒソ話していると
「おいっ、お前らちゃんと人の話聞けよ」
ますます話が長くなりそうな雰囲気。
「あー…喉乾いたな。コーラ飲も。お前は?」
「俺はねぇ…トロピカルジュース」
「あ、やっぱ俺もそれにしよ」
ボーイさんを呼んで注文し、二人が飲み終わるまでの間も、相変わらず昌行のお説教は続きます。
「オッサン、俺…便所行ってくるわ」
「じゃあ俺もー」
2人同時に席を立って
「なぁ健。もう帰ろーぜ。」
「でも手ぶらじゃ帰れないじゃん。」
考えても拉致があかず、かと言ってこのままお説教を聞いている気にもなれません。
二人は、井ノ原くんに叱られるのを承知で、帰ることにしました。
「オッサン、じゃーな」
「またね」
昌行の背中にそう語りかけて、二人はこっそりバーの出入口に向かいました。
話を聞いてもらった昌行は上機嫌。
「もう少し飲もうかな」なんて考えながら、鼻歌を歌って二人を待っていました。
一方、「お客様、会計は…」出口で呼び止められた二人はお財布など持っていません。なんてったって地獄から来た悪魔と小悪魔ですから。
「あれ?アイツら何やってんだ?出入り口の近くじゃ通行の邪魔になるだろうが」
トラブっている二人を見つけて、昌行が入口近くまでやってきました。
(あ、やっべぇ。見つかった)
逃げようとした時にはもう遅く、剛と健は昌行に掴まってしまいました。
二人は井ノ原組で培った演技力を活かし、小芝居を始めます。
「あれ?おっかしーな。財布忘れてきちゃったよ」
「え?俺も置いてきちゃったよ。剛持ってきたんじゃないのかよ」
そういって、困った顔で自分を見る二人を、昌行は放おっておけませんでした。
「しょうがねぇな」
お尻のポケットからお財布を取り出し、中からお金を出そうとして、健に財布ごと取り上げられました。
「ありがとう。お礼に、魂は10年間取らないでいてあ・げ・る。ね?剛」
取り上げた財布を剛に渡します。
「あ?あぁ…」
(別に…取りに来なくていんじゃね?コイツ、割といい人みてーだし)
そう思いながらも財布を受け取って、レジに向かいました。
健は昌行の首に腕を回して耳元で囁きます。
「10年経ったら魂貰いに来るから、それまでお利口にしてて」
昌行に深く口づけて、小悪魔の契約を交わしました。
「あ…はい」昌行はすっかり小悪魔にメロメロ
支払いを終えて戻ってきた剛が
「お前な…ンなもん…軽くチュッてやっときゃいーんだよ」
眉間にしわを寄せながら
「オレ怒らせたいの?」
健の腰を引き寄せます。
「ふふっ、怒った?じゃーあ…帰ったら…」
「……お仕置きだな」
店のドアが閉まる瞬間、剛の背中から大きな黒い翼が見えたような気がして
「ひゃぁっ」
思わず手ブラになった昌行でしたが
「ア、アイツらの仮装すげぇな…」
その後は気にもとめませんでした。
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こんにちは〜!![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
久々に熱出しちゃった( ^ω^ )←鬼のかくらん
コメ返等、遅くてごめんなさい(。・ω・。)
この2日間はマジで何もできんかった…
今日はね
祭日なのに、会社休みじゃないの![キョロキョロ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/016.png)
ちなみに今はお昼休みです
月初めでクソ忙しいのに、そんな休んでもいられないからね
顔が土色してるって娘に言われたけど...![口笛](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/010.png)
今のところ無事です
記事は書けてないので、取り敢えずハロウィンに間に合わなかったヤツをあげときます![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
まだ最後まで書き終えてないけど…
ま、いっか (ノ≧ڡ≦)