PとMK(それぞれの道)1 | GIN@V6〜since20xx〜

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You've got the best choice!!


 

夏休みも残すところあと少し

 
花火大会も行ったっちゃ行ったけど
2人で出掛けた訳じゃねぇし
 
その後のお泊まり含めて色々あったし、あれじゃあな…
 
 
やっぱ1回ぐらい
どっか連れて行きてぇよな
 
 
映画…は涼しいけど、健の顔ずっと見てられねぇし、あいつホラーが観たいとか言ってたから勘弁して欲しいし…

 

んー海…山…んー、暑そう…
 
 
雑誌の旅行特集のページをパラパラめくる
 
どっかいいトコ無ぇかな
 
 
ふっと顔上げたら、向こうから健が歩いてくるのが見えて

 

ん?なんだか元気無さげ…って、気のせいか?外は暑っちぃしな

 

 

「こんにちはー」
 
なんだ。やっぱいつも通り、今日も安定の可愛さだ。よし

 

「健、ちょっとコッチ」
 
健を呼んで膝…はダメだよな、自粛
 
と思ったけど、井ノ原さん居ねぇし
…誰も来ねぇだろ
 
 
 
膝に跨って座らせて、腰に腕回して支えて
 
「な、お前どっか行きたいトコ無い?」
 顔を覗き込む

 
ちょっと困ったような顔して、考えて
 
「剛と一緒だったら何処でもいい」
 
雑誌じゃなく俺の顔見て、ニコッて笑ってから、ちょっと照れたように目を逸らして
 

お前…笑顔が眩しすぎてクラッとしちゃったじゃねーか

 

 
いや…それはさ、そーだろーけど
もちろん、俺だってそうだけどー
 
だからって、ずっと俺んちいるのもさー
 
やる事ねぇっつーか、ヤることしかねーっつーか…

 

 
 
「あ…でも、ごめん。後は最終日まで、ずっと補習と模試だから…」
 
残念そうな顔して、俺の胸のトコ付いてるバッジ、ツンツン押して

おい…やめろって…
やる気スイッチ入っちゃうだろーが

 

 
「そっか、じゃあ遠出は無理か」
 

しょうがねぇよな

んじゃ近場で、夜ドライブでもするか




「あとね…」


「あ、健ちゃーん、いらっしゃーい」


なんだ、井ノ原さんもう帰って来ちゃったよ。もう1、2周ぐるっと回ってくればいいのに



「今日もあついねー」


ハハハーって笑いながら、俺らの方に団扇向けて仰いで…


あー、暑っついっすよね、外

…あ、俺らか


パッと腕放して、健も慌てて立ち上がって



「じゃあ、俺帰るね」


え…まだ来たばっかじゃん。もう帰っちゃうの?



それにお前
さっき、何か言いかけてなかったか?



足下に置いたカバン取ろうとしてた健の腕を掴んだ



「今日ウチ寄ってくか?」


「んー…」って躊躇してる健の手に、鍵を握らせた


「何か食べるモン買って、先行ってて。な?」



財布からお札取って
「俺コーラと、何かテキトーに。あ、タコ焼きも買っていいぞ」



ニヤッと笑ったら
「え?剛、タコ焼き好きなの?」健も笑って


「知らねぇの?俺、三度の飯よりタコ焼き好きだぞ」


「知ってた。じゃあ…行ってるね」


クスクス笑いながら、手を振って交番出て行った





「え?森田、お前そんなにタコ焼き好きだっけ?」


あ、井ノ原さん聞こえてた?


「あ、まあ、タコ焼きが好きっていうか…」


フッ…言えるかよ



「あ、分かったぞ…」


え?何すか?

も、もしかして…また何か見られた?



「さては、お前…大阪生まれだろ」



はぁ?

……ま、いっか


「ははっ…」

とりあえず笑って、スルーしとこ




「なんだよ、ノリ悪いなー。健ちゃんのほっぺがタコ焼きみたいだからとかさー。何かあんだろー?ネタが」




…何がしたいんだ、この細目




あ、でも…


そのネタはいただき