PとMK(Pとアバンチュール) | GIN@V6〜since20xx〜

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You've got the best choice!!



あーーーあっちぃ…
やってらんねぇ


仕事してる手をちょっと休めて
顔を上げる


あれ?高校生諸君…
学校帰りにしちゃ随分早くねぇか


駅前通りのアッチコッチに、学生服姿が見える

テスト…は、こないだ終わったばっかのはずだし…

ひょっとして、お前ら全員…
サボりか?

今日も暑っちぃからなー…
サボりたくなる気持ちはよぉーっく分かるけど…



「こんにちはー」

なんだ健、お前までサボりかよ
昌ジイに怒られっぞ


「あ、健ちゃん。もう夏休みだっけ?いいなぁ、俺も休みてぇ」


あ、そっか夏休みか

どおりで、みんな妙にイキイキしてると思った

「夏休みって言っても、ずっと補習があるから学校には行くんだけどねー」

ま、そりゃしょうがねぇよな
学生の本分は勉強だろ。励め励め




ひとしきり井ノ原さんと話ししてから俺んとこ来て


「あのさ…」


なんだ?声潜めちゃって

なんなら…奥行くか?風通し悪いからメチャクチャあっちぃけど

多少、汗だくになっても、顔赤くなっても、全然怪しまれねぇぞ


せっかく椅子から立ち上がりかけたのに
また小さい声で


「花火大会の日ってさ、お巡りさんは忙しいよね」


まあな。人は多いし、迷子は多いし
輩も多けりゃカップルも…って

もしかして、俺のこと誘ってんの?


いやー、休みたいのはヤマヤマだけど
その日はちょっと…でも、まあ健がどうしてもって言うんなら…



「じゃあ…俺、友達と行っていいよね?」


あ?…ああ

「べ、別にお友達と行くのに、俺の許可なんか要らねぇだろ」


なんでわざわざ
しかもこそこそ…


さては……女か?
まさか、女子と2人っきりとか言うんじゃねぇだろーな

いや、ひょっとしたら男と2人…


「高校最後だし、みんなで行こうって事になってさ」


あっそ
『みんな』ね。ハイハイ


「実はもうOKしちゃったんだよね」


…事後報告かよ
まあいいんですけど



「…怒った?」

俺の横にしゃがんで、顔を覗き込んでくる

「別に…なんで怒るんだよ」


俺の膝の上に両手ついて、頭乗っけて

「じゃあ、ちょっと心配した?」

「は?誰が?何を?」


「むぅ〜…可愛くないなー」


腹を突っつくなよ、腹を
…くすぐったいって
やーめーろっ


「はいそこ、イチャイチャしなーい。仕事しろー」


「別にイチャイチャなんか…なぁ?」


健のやつ、ペロッと舌出してソッポ向きやがって。イチャついてきたのお前だろーが



「しかし暑っちぃな。ねぇ、健ちゃんお願いあんだけどさ」

井ノ原さんが財布からお金取り出して

「これでさ、冷たいもんでも買ってきてくんない?3人分」




健が出てった後、

ちょっと神妙な顔した井ノ原さんが、俺に近づいて来て


「臭うな…」


えっ?ウソ…
確かに、今日は結構汗かいたけど
健も何にも言わなかったし…


自分をくんくん匂ってみる


「ばーか、お前じゃねぇよ」

へっ?

「健ちゃんだよ。…アバンチュールの匂いがする」


は?何それ…どうゆう意味っすか?


恋の冒険?火遊び?

いやいや……健に限ってそんな



「ウチの子は大丈夫とか思ってんだろ?」


思ってますよー。当ったり前っしょ


「健ちゃんが大丈夫でも、周りがほっとかねぇよ。お前なー、高3だぞ?夏休みだぞ?花火大会だぞ?
危機管理しっかりしとけよー」




またまた……井ノ原さんてば
そんな事言って、俺のこと脅かしてるだけっすよね?




「お待たせー」

お使いから戻ってきた健


の後ろに
くっついてきた


外人みたいな顔した高校生



…お前、誰?



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