【この指とまれ】


直属の上司である販売課長が急遽入院することになり

突然の人事発令(*人事はいつも突然ですが。。)で

私がそのまま持ち上がりのようにして販売課長になりました。


それまで6人の営業スタッフで販売課の目標を達成すべく

活動していたので、私が個人目標から抜けるわけにはいかず

プレイングマネージャーとして販売課をまとめることになりました。


今まで席を並べて一緒に仕事をしてきた仲間なので

私の仕事への姿勢は既に理解されていたと思います。


しかし心の底に秘めた「思い」までは伝わっていないので

課長になった機会に改めて部下5人にお話ししようと思いました。


会議室に集まったメンバーに約2時間、息つく暇もないほど

熱っぽく喋り続けました。


『営業はマラソンと同じ、トップでゴールするのも、ビリでゴール

するのも、しんどいのは同じ、同じやったらトップでゴールせよ』


『前職の営業(別荘地販売)で会得した飛び込みテクニックを

全員に実践指導する』


『前職で行っていた「夜訪」を全員の日課とする』


『飛び込みで成果を挙げるまでは一人前の顔をするな』


『営業マンは会社から与えられた目標を達成するのは当たり前。

その目標を越えて初めて会社に貢献していると思え』


『私の指導は厳しいと思うかもしれないが、いじめるのではない、

心底みんなに喜びを味わってもらいたい、幸せになってもらいたい

と思ってのことと理解してくれ』


喋り終わるとみんなの顔が引きつっていました。

だれも一言も発しません。


会議が終わって自席に戻る姿はまるでお通夜の帰りみたいです。


こんな雰囲気で我が販売課はスタートしました。


(つづく)