仁太劇場 「遭遇 その6」 byニョロ
もう一人の自分。
俺は幻を見ていたのだろうか?
いやそんなはずは無い。
奴は確かに此処にいて、そして消えた。
本当に消えてしまったのだ。
目の前から・・・・ビックリだ!!
また微かな良い香りがしている。
彼女の気持ちになって・・・・・
”くん”がどんな気持ちで俺と一緒にいるって言うんだ?
彼女を見る・・・・。
俺は”くん”の何を知っているだろうか?
彼女をシッカリと正面から見て来たのだろうか?
・・・・・・・。
俺の作り上げた、俺の想像した”くん”!
そんな”くん”と付き合った気になっていたのだろうか・・・・?
幸せ・・・?
幸せにする。
幸せにしてもらいたい。
ギブ&テイク
俺は”くん”に何をあげた。
そう・・・・・・。
何があったのだろうか・・・・?
あの半年・・・・。
どこかに行っていた?
前々から予定があったのかもしれない。
病気?
考えられない。
俺の気持ちを試した?
半年で心変わりするかどうか。
まさか、他の男と別れた?
・・・・・・・・。
”くん”・・・俺はあまりにも君の事を知らない。
今すぐ”くん”に会いたいよ。
会いたいよ!
ここを出なければ!
どうやって・・・?
奴はあそこから消えた。
出れるのか?
それとも別の世界へでも繋がっているのだろうか?
とのかく、此処を抜け出さなければ!
別の世界?
俺一人ならいけるのか・・・?
奴はそう言っていた。
”くん”をおいて俺一人なら・・・・。
そういうことか。
それで俺は変われるのだろうか?
いや!駄目だ!
”くん”をおいて行けるはずが無い。
今、俺に必要なのは”くん”と正面から向き合うことなのだ。
”くん”を幸せにすることが俺の幸せになるのだ。
そうだ、きっとそうなんだと思う。
俺は”くん”に会いに行かなければ。
つづく