常勝師範のブログ

常勝師範のブログ

人脈も語学力も無いのに、いきなりイタリアに移住して空手道場を開場。試行錯誤を経て、3年で150人の道場生を持つことが出来、今では毎週入門者がいるという状態に・・・。この道場運営ノウハウをすべて伝授。

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私は毎回稽古の度に悩んでる。

まず、今日やる稽古を頭で思い浮かべ、そこに門下生を浮かび上がらせる。

で、どのように指導すれば正確に伝えられるか・・・

どうすれば出来るようになるか・・・・

この連続である。

道場にはいろんなレベルの子がいる。

物覚えのいい子もいれば、手取り足取り何度練習を重ねても上手くやれない子がいる。

しかし、稽古にきたからには、稽古前より何かしら上達して帰って欲しいと考えている。

稽古事で成果が現れるスピードは非常に遅い。

週単位で見てると、何ら変化が無いように思え、私も何度か凹んだ経験がある。

しかし、月単位で見ると必ず成長していることが確認できるし、

年単位で見ればそれこそ去年とは別人なんて門下生はゴロゴロいる。

でも、毎日の稽古という視点で考えると、

私はほんとうにこの指導でいいのだろうか?と四六時中考えている。

指導者の皆さん。

どんどん悩んで、脳に一杯汗をかいてください。

年齢とともに体にガタはきてますが、脳ミソはまだまだフル回転させられます!!

頑張りましょう!!!








イタリアは長い長い夏休みに突入した。

次に学校が始まるのは9月の2週目くらいだから、約3ヶ月である。

日本にはゴールデンウィークが毎年1週間くらいある。

私は日本にいた時は、ゴールデンウィークの期間中に

何か1つやり遂げようと思い目標を立てていた。

それは、前から読もうと思っていた分厚いビジネス書だったり、

パソコンのアプリケーションの1つを使いこなせるようにしたりと・・・・。


これが3ヶ月となると、約12週間である。

とすると、1週間に1つの目標を立てれば、夏休み中に12個の成果が得られる。

これは大きい!!!

現在、月曜日朝8時半、まだ息子は寝ているが、、、

さっそく我が息子に12個の目標を立てさせてみようと思う。

目標を立てて、それを達成するという習慣づけのためにやらせるという意味もあるが、

そんなことより、私は息子がどんな内容の目標を12個設定するのかということに

興味津々なのである。

それぞれの週で12個設定してくるのか、

それとも3週間くらいはかかる大きな目標を織り交ぜてくるのか・・・・。

とにかく、息子の自由な思考回路を理解できるいい機会である。



話は変わるが、私の通っていた小学校では、

毎年夏休みに入る直前に学校の図書室の本を10冊まで借りることが出来たので、

いつも制限一杯一杯の10冊を借りてきた。

内訳は大体、江戸川乱歩の推理小説が5冊。
怖い怪談ものが2冊。
理科の実験ものが1冊。
なぞなぞの本が1冊。
絵本が1冊。

まーいつもこんな感じである。

そして、夏休みの丁度真ん中くらいに、1日だけ全校出校日がある。

この出校日に私だけは特例で、

借りた10冊を返却し、この日に新たな10冊を借りることが出来た。

(この全校出校日・・・楽しい夏休みの最中に「先生の給料支給日」という大人の事情で、
生徒を招集するわけだから、先生側にも負い目がるのだろう・・・生徒側のこれくらいのムリは簡単に聞いてくれる)

さて、私の自慢の1つであるが、小学校5年生になるころには、

学校の図書室の本は全て読破した。

そのため、読む本が無くなり、

仕方が無いので、自転車で30分もかかる県立図書館に通っていた。

祖父母から誕生日プレゼントをもらうが、

私には本を与えておけば喜ぶと解っていたので、

小学校3年生くらいからのプレゼントで本以外のものをもらった記憶が無い。

もちろん、毎回のプレゼントに大喜びしていたのは言うまでも無い。

親とデパートに行っても、親が買い物している最中は

私は本屋に放置である(一目散に本屋に向かうので、親を放置したという方が正しい)

ここまでくると、読書好きではなく、「活字中毒症」という病気である。

この「活字中毒症」は49歳の今も治っていない・・・。

毎晩、寝る前に本を読んで寝るが、それこそコース料理のように、

前菜にあたる「軽めの内容の本」をまず読み、

次にメインにあたる「重めの内容の本」を読み、

最後にメインで読んだ内容で脳が活性化(熟睡の敵)しないように、

いわゆるデザートにあたる「心が落ち着く内容の本」を読んでから寝ている。

目にはどう考えても良く無い・・・毎日、目の痛みとの葛藤である。

それでも、本はやめられないので、ビルベリーなるサプリメントを気休めに飲んでいる。

さて、もう一度小学校の頃に話を戻すが、

私が小学校2年のころに読んだ本で、非常に衝撃を受けた本がある。

タイトルは「地獄」

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この本、あとで知ったのだが、挿絵の内容があまりに強烈なため、

出版停止になったそうである。

この本が、今またブームになりつつあるという記事を先日読んで、

うちの門下生にも勧めたいと思う。

この本、「ママはテンパリスト」という人気漫画の中に登場し、

どんなに手の焼ける子でもこの「地獄」を読み聞かせるといい子に変身する!!!

という口コミで現在、再出版され人気になっているのだそうだ。

膨大な量の本を読む私が、40年以上も前に読んだこの本の絵を鮮明に思い出すことが出来るくらいなので、いかに強烈か・・・・。

「良薬は口に苦し」じゃ無いが、これくらいの刺激は子供には大切だと思う。

よくご父兄から「うちの子は・・・・」と相談を受ける。

ほとんどの事案(嘘をつく、暴力をふるう・・)はこの「地獄」に網羅されているので、

読聞かせる事をお勧めします!!!

この本は

普段、私が道場で話している「正しい生き方」を説いている本でもあるので・・・。


日頃門下生に、「次世代のリーダーになりなさい」と言っている。

リーダーにとって統率力、求心力を持つことは絶対条件である。

この力をつけるために、道場は非常に優れた環境である。

よく、中間管理職の人が「組織をまとめるのは大変」と愚痴をこぼすが、

会社では、一定の社会常識を持った成人相手のコミュニケーションで成り立っているので、

私から言わせれば、会社の組織をまとめることぐらい簡単なことは無い。

道場とは非常に希有な集合体である。

つまり、

まだ社会との協調を解っていない幼児、小学校低学年がいる。

年齢に関係なく入門の古い者は「先輩」となり「後輩」の面倒を見るという規範。

「後輩」は自分よりかなり若くても「先輩」の言う事に従わないといけないという規範。

一方で、道場では目上の人を敬いなさいという規範。

それから、道場には通っていないご父兄の存在。

以上から解るように、道場における人間関係は非常に複雑な要素が絡み合っている。

逆から言えば、このような複雑な組織を掌握することが出来れば

会社の組織をまとめる事など、造作も無いことなのである。

なので、紫帯、茶帯クラスになったら、

まず道場を俯瞰で見て、

瞬時に頭の中で3つくらいの塊(グループ)で再編成する訓練をした方がいい。

そして、その3つのグループをどのようにしたら、

パフォーマンスを最大限に引き出せるかを考える
(これも瞬時に指示して動かせるように日頃から訓練しなければならない。)

そして相手は常に変化しているので、

ルールを予め決めて当てはめるというのでは善処したとは言えないので要注意!!


ある時は、注意散漫な子だけを括って、なぜこのようなグループに括られたか本人達が気付くようにしてみたり、(ダメな子グループに括られると、日頃、俺はダメな子グループには入ってない。大丈夫・・・とタカを括っている子達には効果テキメン、間違い無く焦る!)

またある時は、学年が下の子でとても上手な子がいたら、あえて上級者の中にその子を入れて、自浄作用を狙ってみたり、(後輩の方がしっかりしているというのは、向上心を持っている子には刺激になる

またある時は、だらだらやってるいる子を注意し、その子が真剣にやるまで、全員の練習をストップさせてみたり、(これをやることで、稽古の手を抜くということは、自分だけの問題ではなく、他人にも影響を及ぼしてしまうということを解らせ、責任力と社会性、協調性を学ばせる

また、すぐに根を上げる子達を集め、自分より級が下の子で与えられた課題を頑張って最後まで諦めずにやりぬく姿を見せることで刺激し、そして、すぐに根を上げる子達に、とにかく、与えた課題を最後まで諦めずにやり抜かせたり、(途中で根を上げても、許さない!!とにかくやり終えるまで次に進まない・・・これをやらせることで、途中でやめても何とかなる・・という甘い考えを断ち切ることができ、忍耐力、達成感を感じさせることができる

また、すぐに言い訳や不満をいう子達を括り、他のみんなは彼らから話かけても無視をしたり、(人とのコミュニケーションはまず「はい」という肯定から入ることが大切ということを学ばせる。自分の思うがままに事が運ぶというのは、自分勝手であり、周りは「迷惑」しているというのを解らせる

人が話している最中に割り込んで話す子には、その子が話をしている時に何度も話の腰を折るように話を挟むようにしたり、(そうされるともう話す気が無くることを解らせ、聞く耳を持たせる)

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等々、道場の門下生は毎回、毎回課題を変えて私達の前に立ちはだかる。

それを、柔軟な発想でまとめあげていく力が指導者には求められる。

だから、管理職の立場にいるお父さんには格好の学びの場である。

しかし、まだまだ空手道場とは空手の技を教えている道場と捉えている方が多いので、

空手以外に学ぶべき事が多いことを正しく伝えるべきである。


イタリアは一気に暑くなり、スイカやメロンが美味しい季節になりました。

こちらは果物が本当にやすく、メロンも夕張メロンと同じ品種のものが

1玉1ユーロ(100円)で買う事もできれば、スイカはキロ当たり0.8ユーロなので、

小玉スイカであれば200円くらいで買えてしまいます。

先日、道場の門下生60人くらいを連れて、森の中で稽古しました。

裸足で土を踏むということが、なかなか今はやる機会がないので、

いい経験になったと思います。

そして、夏の恒例イベントとなった森の中でのスイカ割はとても盛り上がりました。

さて、本日のテーマは「教えることの難しさ」について

空手に限らず、生徒に物事を教える難しさは教える側の人なら誰でも抱えている問題です。

日本には昔から「人を外見で判断してはいけない」という教えがありますが、

これは言「人は外見で判断しやすいので、気をつけなさい」と捉えることも出来ます。

心理学の世界でメラビアンの法則というものがあり、
(下記の本、おすすめです!!)
知っているようで知らない 法則のトリセツ/徳間書店
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どんなに一生懸命講義をしても、

言葉は7%しか伝わらず、

55%はその人の服装だったり、表情とかの視覚情報から

その人を受けいれるかどうかを判断するというもの。

ということは、しわくちゃで、汚れた道着を着ていては、

いくら良い話をしても伝わらないということ。

教える側の人は、気をつけたいものである。

私も高校時代に非常に不潔な先生がいたが、授業の内容など全く頭に入らず、

背広の肩に溜まった先生のフケが気になってしょうがなかった。

生徒の心を掴みきれてない先生方は、

一度、「授業の内容」以上に身だしなみ、表情に気を使ってみることをお勧めします。

人気のある先生は間違い無く外見に気を使っていますから・・・・。

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それから、先週教えたのにまた同じところを間違える・・・・。

人の話をちゃんと聞いているのだろうか??

なんて思うこともよくあるはず!!

これも「エビングハウスの忘却曲線」という有名な実験結果がある。

人の記憶力というのは

20分後には42%内容を忘れ

1時間後には56%

1日後には74%

1週間後には79%忘れるというもの。

ということは、折角教えても1週間後には80%以上忘れてしまっているということ。

これは、人間とはそういうものなので、それに腹を立てても仕方が無いということ。

師範たるもの、1日1日を全力で教える・・・ただそれだけ。







「喧嘩をうられたらどうすればいいですか?」

という相談が一番多い相談事である。

これは道場によって考えた方は様々だと思うが、

ありきたりな道徳論ではなく、

指導者はこの問題に関しては明確な指針を提示すべきである。

以下は私の指導方針である。

まずは、一番大切なのは、喧嘩をうられるような低いレベルから

早く脱却(ステージを上げる)すること。

争い事の絶えない人は、

相手では無く、自分に 非があるということを早く認識すべきである。

こういう人に限って、相手の悪口ばかりいって

自らの非を返り見ようとしない。

自分の物差しに全て当てはめようと考える事自体が

おこがましいのである。

このような争い事にそもそもならないように

自分のステージを高めるというのがまずは最優先課題!!

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次に喧嘩を売られてしまった場合の話。


絶対に、手を出さない。

おとなしくやられる!!

これが私の考え方である。

先ほども言ったように、喧嘩になるということは、相手がどうこうよりも、

自分の方にも必ず「非」はあるはず。

その「非」を気付き、悔い改めるためにも、「やられる」べきである。

そして身をもって理解したことは、頭で理解する場合より同じ過ちを繰り返しにくい。

空手は一撃で相手を倒す武術である。

本人にその意識がなくても、3年も稽古を続けていれば、

自然と繰り出すパンチ、蹴りは相手の急所を正確に捉える。

だから、自分の命が危ない!!くらいのレベルで無い限り、

空手の技術は絶対に使ってはいけないのである。

もう一度、私から喧嘩をうられてしまった場合の対処を言います。

手を一切出さず、やられる事。


よく、空手をやっていて、やられるのは格好悪い!!とか

男だったら、うられた喧嘩はかうもの!!とか言う人がいる。

それって、本当に「強い男」ですか?

完全に間違っています。

暴力的に「強い男」かも知れませんが、

そこらのチンピラ、ヤクザと何ら価値観は変わりません。

道場での組手は別として

「最高に強い人」は戦いません!!

対戦相手をも見方にするのが「最高に強い人」です。

この対戦相手をも見方にする・・・ということが、

これから世の中を背負っていく指導者の必須スキルとなります。

ですから、私の道場では強い人を育成するのではなく、

最高の人を育成していきます。

門下生に喧嘩などしてるくだらない時間など無い。

とくどいくらい言っています。

以下はアメリカの第16代大統領 リンカーンの言葉です。


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「自己の向上を心掛けている者は、喧嘩などする暇は無い筈だ。
おまけに、喧嘩の結果、不機嫌になったり
自制心を失ったりすることを思えば、
いよいよ喧嘩はできなくなる。

こちらに五分の理しか無い場合には、
どんなに重大なことでも相手に譲るべきだ。
十分に理があると思われる場合でも、
小さいことなら譲った方が良い。
細道で犬に出会ったら、権利を主張して噛みつかれるよりも、
道を譲った方が賢明だ。
例え犬を殺したとしても、噛まれた傷は治らない。」

エイブラハム・リンカーン

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喧嘩で勝っても、気分は晴れるものではありません。

そして喧嘩した相手とも後にはマイナスしか残りません。

さらに「自分の器の小ささ」もみんなに知られてしまいます。



結局、喧嘩でボコボコに打ち負かしても

相手は納得しませんし、相手の心や意見までは変えられません。


むしろさらに相手の反感を買うだけです。

つまり、こういう無益なことに

鼻息荒く息巻いているのは暇人以外の何者でもないということです。

こちらが無抵抗であれば、

やる側も拍子抜けします。

つまり、やられたところで命に別状はないということ。

だったら、喧嘩をうられるような自分の「非」を正すために

黙ってやられなさい!!

これが私の喧嘩に対する指針です。

このブログは、道場を運営されている師範もかなり読まれています。

ですから、今回にブログはあくまで私の指針です。

考え方を押し付ける気など毛頭ありません。

ただ、今回のテーマは非常に相談事として多いので、

明確な指針を持たれた方がいいですよというお話です。

編集後記
ウチの道場でもの凄い稽古熱心なイタリア人女性がいる。
その人から今日、こんなメールが入った。
「師範、大変です。妊娠してしまいました。私は空手の稽古が大好きです。
妊娠しても稽古を続けていきたいのですが、いいですか?
稽古がだめというなら、毎回見学に行って、見て学びたいと考えてます」

というもの。
お腹の赤ちゃんにもしもの事があったら大変なので、まずは医者に相談してみなさいというアドバイスをしたが、やはり女性特有の問題は難しい。