昭和天皇とやりとりした初代宮内庁長官の拝謁記録が出てきた。NHKに提供されたものだが、本来は国立公文書館にでも収めたいようなものだと思う。しかし、これは本当に、現時点で公開しても大丈夫なものだろうか。昭和天皇が君主から象徴に変わる過程で、葛藤もあれば、意見もあったろう。現に、憲法を改正して軍備を持つべきという意見を述べられている。これだけ見ると懲りていないと思う、愚かな人々もいるだろうが、独立した国が自国を守る軍隊を持っていないことは、国際的に異常なことなのだ。しかも、本当は米軍に依存しているのにその事実を認識しようともしていない。米軍がなくてもこれまで平和でいられたと勘違いしている幸せ者がたくさんいるから困ってしまう。戦後にそんな状態になったら、ソ連に占領されているよ。話を元に戻そう。昭和天皇が発言した内容は、あくまで、昭和天皇としての意見ではあるが、公式な見解ではないし、経緯があっての発言であるから、一つの言葉だけが独り歩きすることがとても危険だ。それは、右翼にとっても左翼にとっても利用でき極論を生み出す可能性がある。昭和天皇はそんなことを望んでいるわけではないだろう。
なので、個人的には、今の時点で公開をしない方がいいのではないかと思う。戦後が全くの歴史になってしまってからでよいのではないか。良くも悪くも昭和天皇にはファンがいるし、敵もいる。正当な分析ならよいが、偏見に満ちた解釈はしてほしくない。とにかく公平で公正な扱いを望む。
朝日新聞には昭和天皇の責任を追及したい節がある。責任はないことはないが、まず第一の責任は陸軍にあるし、それを海軍は陰に陽に支援している責任がある。実質の所、昭和天皇が統帥権を行使しなかったことが問題の一旦ではあるにせよ、515事件や226事件(どちらもクーデター未遂である)を見ても終戦間際の所業を見ても、陸軍も海軍も何をしているのかわからない。ガキの行動を抑止することもできず、前線を知らんようなガキどもを野放しにしやがって。国民を煽り、無謀な作戦で何人殺したと思ってんだ。敵じゃなくて国民をだ。陸軍も海軍も日本国民を殺したんだ。その責任を昭和天皇に押し付けたってなにも解決せん。
だから下手なメディアに公開することはしてはならない。メディア毎に都合の良い部分を抜き出し都合の良い解釈をするだろう。大学教授も同じで、さらに始末が悪い。偏った勢力にのみ情報を出してはならない。昭和天皇の言葉を争いの種にしてほしくない。