「インフェルノ」というダン・ブラウン著の小説がある。ダン・ブラウン氏というのは、「ダ・ビンチ・コード」の作者である。
宗教的というか欧州のキリスト教の遺産や文化を交えて、狂信的な団体が起こす言うなればテロ事件を描く作家である。
非常にキリスト教を中心とした宗教文化と遺物に造詣が深く面白い。
今回、「インフェルノ」(「ダ・ビンチ・コード」「天使と悪魔」に続く映画第三弾にもなっている)という物語は、ダンテの神曲に由来する。
その中のテロリスト(作中では、生物医学者、遺伝子工学者)は、人間の人口爆発を不安視し人口を半分にするべくウィルスを作り出す。人類の3分の1から生殖機能を奪う。
考え方は非常に理にかなっていると思うし、非常に多くの人が人口の増加について懸念を持っていることがわかる。
このテロリストの発言では、向こう100年以内と言っている。非常に強い警告だ。自分の子孫というより子どもに直結する問題だ。作者は、「ダ・ビンチ・コード」と「天使と悪魔」では、宗教の特にキリスト教内部の対立や宗教としての問題を取り上げている。しかし「インフェルノ」では、科学的な見地を強調しているようである。
この作者がどのような思想を持っているのかはよくわからないし、ここでテロリストに言わせている100年以内に人口増加により人という種は自滅するという意見が正しいかどうかもわからない。ただ、世界の人口問題が全く無視できるものでもないと思わせる。どんな小説でも作者の主張が入るものだが、この作者の意図はどちらだろうか。
また、この小説の中には、間引く人々を無作為に選択することができるかという問題も出てくる。世の中は、持てる者と持たない者に分化しつつある。遺伝子操作により金持ちは優秀な子孫を残せる。我々のような貧乏人は突然変異にかけるしかない。自分の子どもが親である自分の能力を超越した才能を持たない限り生き残るすべがない。果たして平等に生き残るチャンスは与えられるのだろうか?
人口が増加すればするほど競争は熾烈になり、持つ者と持たない者の差はさらに広がる。それは、進化なのだろうか?進化なのかどうかいずれ争われることになるだろう。
とすると、すごろくの振出しに戻るが欲しくなる。逆転を狙うエネルギーが溜まりに溜まって爆発したとき、果たしてどうなるのか?
ある意味、ものすごーくお金持ちで世界を動かしているような人たちは、ガス抜きをするために、トランプ氏を大統領にしたり、中国を敵対させたり、しているのかも知れない。
人口増の果てに何があるのか?もしかして、火星移住計画のモルモットだったりして。数億人レベルで送り込めばそのうち火星のコロニーも何とかなるだろうとか考えているのかもしれないなぁ。

作者は人工増加対策の議論が公に行われることを期待しているのかもしれない。

2017年1月5日読み終えたのでないようを一部修正。