かって徳島の鳴門市に在った坂東捕虜収容所を舞台とした、ドイツ人捕虜の姿を描いた映画が製作された。時代背景と強者と弱者の立場そして、権力闘争での勝者と敗者の立場、人間としての生き方が鋭く描写されている。戊辰戦争の生殺与奪の修羅場を越えてきた松江所長の思いが異国の地にある捕虜達に抜苦与楽を得さしめた。人類愛ハッピーエンドの映画ではない。人間の生命の奥底にある両極端の生命の姿が浮き彫りにされ、良い生命状態を維持する方途を見出す。それは、やがて、歓喜の歌となり、生命かつ人生を荘厳し、人々に伝播する。