第3章第2節
コラム1 昭和天皇の戦争指導
戦前、「大日本帝国憲法」の規定では天皇は現人神であり、日本国家の主権者で、国家のすべてを統治している存在であった。天皇はさらに軍隊の指揮と統帥の最高権力でもあり、宣戦と停戦の決定権も持っていた。まさにこの意義上、
日本の軍隊は「皇軍」と呼ばれていた。
「大日本帝国憲法」第三条でさらに「天皇は神聖であり侵してはならない」と規定され、天皇には政治と軍事の責任を
追わせられないと考えられており、規定では政治上、各国務大臣が天皇を補助しその責任を負うこととなっていた。
軍事上では天皇の統帥部(陸軍の参謀本部と海軍の軍令部)が補佐し、天皇の責任を背負った。
1937年中日全面戦争開始後、戦争拡大を指揮するため、皇居内に大本営を置き、陸海軍最高司令官ー昭和天皇大元帥の
総司令部とし、戦争の最高統帥期間とし指揮をした。大本営は参謀総長と軍令部長を幕僚長とし、陸海軍大臣が参加し、
そのため軍部トップの会議となった。
このほか、昭和天皇は勅語と褒章令を発布し、国民の「戦争意欲」の向上と「国威」を発揚し、鼓舞する作用を起こすため戦争の勝利と軍事行動の成功を激励した。
コラム2 チラシの中の戦争
戦争で、敵国の兵士の戦闘意志を削ぐため、あるいは彼らの不戦、降伏を呼び掛けるため、
各方面ではさまざまなチラシを敵国陣地に撒いた。そのチラシにはどのような内容が書かれていたのか。
どのような作用があったのか。
①日本軍が作成した中国兵向けチラシ
各位は一体どのような道を選択しているのか?
見よ、匪賊的道で抵抗を続けると
このような悲惨な境地に陥るぞ!
良民の道を選択すると
王道楽土を行ける。
②日本軍作成アメリカ兵向けチラシ
前方には流血があり
後方には逃避兵がいる
金と勢いで道徳家気取り
奴はお前の女を抱いている
そしてわざとらしく
「後ろの俺らはおまえに感謝する」
③中国軍作成日本兵向けチラシ
戦場の諸君、命を粗末にするな。
苦しい生活を強いられる家族を考えてみよ、
誰が君たちを守ってくれる。
眼を開いて見よ、親愛なる日本兵士、
日中両国、良き兄弟として
侵略者と抑圧者を打倒しようではないか。
本当の自由解放に向かって踏み出そう。
「栄誉の生」は「栄誉の死」よりさらに難しく、
更に困難である。
④アメリカ軍作成日本軍へのチラシ
犬のように死に埋葬される意義ある命。
栄誉の死とは何か。
国のために勇敢であることは確かだが
戦争で死ぬ。
犬死にが栄誉の死ではない。
栄誉の生とは事故を大切にすることだ。
国家のためにはそれが最大の善事である。
