日本でもすっかり、ジビエが市民権を得たようだ。
害獣駆除の必要性が高まり、鹿や猪の流通量が増えて、価格も安めだからだろう。
「天然」ということで、なんだか有難い気がするし、赤身が多くてヘルシーな風でもある。
和食でも取り入れる料理人が増えてきた。
外苑前の「たでの葉」は、大都会のど真ん中に似合わぬ囲炉裏が舞台装置。
冬場はチンチンに熱を発する炭火で、ジビエを焼いて出す。
非常にシンプルだが、それがかえって都会人の心をくすぐる妙味になっている。
中央が囲炉裏。
前菜色々。熊のテリーヌなど。
掌サイズのしいたけ。
エゾ鹿のフィレ。しっとりとやわらかく、癖がない。
エゾ鹿のロース。ほんのり野趣のある脂の香りがいい。
塩やホースラディッシュの醤油づけなどをつけて食べる。
尾長鴨の焼き物。
尾長鴨の肝、砂肝、ハツのユッケ風。生は初めてだが、鶏よりさすがにパンチがある。
尾長鴨のねぎま。
熊鍋。脂の香りがとても独特で、好きな人にはたまらないだろう。そんなにくどくない。
自然薯ごはん。
都会で遊び慣れた人にも、都会の暮らしに疲れた人にも、どちらにも訴求する店である。