超有名店で説明不要の「コート・ドール」。
1月、2月の名物はトリュフ料理だ。
その1つ、「ヴォークリューズ産黒トリュフのかき卵」を食べて、ノックアウトされた。
これでも結構、日仏で黒トリュフの料理はたべてきたつもりだった。
だが、この「かき卵」はすごいインパクト。
帝国ホテルの「レ・セゾン」でも黒トリュフのスクランブルエッグを出すが、比較にならない。
トリュフの密度、濃度が全然違うのだ。そしてこちらは「かき卵」、つまり本物の Oeufs brouillés 。
完成度が段違いであった。
猪のリエットにキウイジャムをしのばせたもの。
この日は島根産のさわらの燻製。チエドで割と火が通っているが、魚の甘みや旨みは良く伝わる。
これが、ヴォークリューズ産黒トリュフのかき卵。
ものすごくエロティックな香り。男のあれのにおいを想起させる。
赤ワインソースが、これまた視覚的に妖艶である。ねっとりとしたバターの利いた卵とトリュフのつぶつぶが発する香り、酸味のあるソースが引き立てる。うまいとしか言いようがない。
シストロン産の子羊ロースト。すごく繊細な香りと肉質。ニュージーランドがいくら頑張っても追いつけない境地を感じる。
付け合せのグラタン・ドーフィノワ。これは、「アラジン」の方が好みだ。
新潟で捕まえた青首鴨のロースト、蕪添え。野趣あふれる香りがみなぎる。
焼き芋餡キャラメルのスフレ。すごく甘いが、嫌う理由のない味わい。
トリュフ以外の料理も、ひけをとらないクオリティ。満足度が極めて高い一夜であった。